水資源の保全

人口の増加や、気候変動による自然環境の変化により、水需要がひっ迫する地域が拡大しており、水資源の保全に対する社会の関心が年々高まってきています。

三菱自動車は、自動車の生産活動において、工業用水、上水(市水)、地下水などを使用しており、下水道や河川などへ排出しています。当社は、「水資源の保全」をマテリアリティと特定し、各国・各地域における水リスク低減に向けた施策として、取水量の低減や排水の水質のモニタリングなど、水資源の保全に取り組んでいます。

各事業所では、排水水質などの各種法的要求事項を遵守するとともに、水資源管理に関する各国・各地域の情勢などを踏まえて、取水量の低減・水リサイクル技術の導入などを行っています。ミツビシ・モーターズ・クラマ・ユダ・インドネシア(MMKI)やミツビシ・モーターズ(タイランド)・カンパニー・リミテッド(MMTh)では、排水リサイクルプラントを設置し排水を再利用しています。

取水量の低減

当社グループでは、生産工程で使用した洗浄水の予備洗浄への再利用、冷却水や温調用水の循環利用などにより、取水量の低減に努めています。
取水量の低減に関するトピックスはこちらをご覧ください。

TOPICS

塗装設備用空調機の結露水の再利用(MMTh)

ミツビシ・モーターズ・(タイランド)・カンパニー・リミテッド(MMTh)で車体塗装設備用空調機より排出される結露水の再利用を開始しました。タイは1年を通して高温多湿な環境で、空調機の除湿工程から安定的に結露水が得られます。この結露水を貯水タンクに回収し、冷凍機用冷却塔への補給水の一部として再利用することにより、冷却塔への補給水の約3割に当たる100m3/日程度の給水量を削減できました。更に低温度(約23℃)の結露水を活用することで、冷却塔の冷却効率向上にも寄与しています。

  • 結露水再利用のイメージ

  • 設置した結露水貯水タンク

水質汚濁の防止

当社は製作所周辺の水域の水質汚濁防止のため、法的要求事項にもとづいた排水水質の測定・管理に加え、地下水の水質や土壌汚染の調査・確認を定期的に行い、有害物質が敷地外へ拡散していないことを確認しています。また、雨天時などに水質異常を速やかに検知するため、工場から公共用水域への放水口手前に、油膜検知器(※1)を設置し常時監視しています。事故などが発生した場合は、直ちに拡散防止策を講じるとともに、行政へ報告し、地域へ情報を公開します。

  1. 油膜検知器:油の反射率が水の反射率より大きい性質を利用し、反射率の変化をキャッチして油膜の浮遊を検知するもの
  • 水質観測用井戸(岡崎製作所)

  • 油膜検知器(岡崎製作所)

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マンホール型油水分離ますの設置(京都製作所)

京都製作所京都工場で、油膜検知器の手前にマンホール型油水分離ますを設置し、工場内の路面などからの汚濁物質の漏えい防止対策を強化しました。従来より、油膜検知器によって工場内の雨水放流口からの油分漏えいを監視していましたが、交通量の多い道路や工場、商業施設などに活用されている『非特定汚染源対策』の事例を参考に、雨水の排水経路の油膜検知器の手前に新たにマンホール型油水分離ますを設置しました。これにより、雨天時の路面排水から浮遊物質(SS:Suspended Solids)、油を分離して放流することができるようなりました。

雨水の排水経路に設置したマンホール型油水分離ます