当社の人材育成の取り組み

当社の人材育成の取り組み

基本的な考え方・方針

三菱グループ共通の根本理念である「三綱領」と当社の「ビジョン・ミッション」、日々の業務の方向付けとなる「MMC WAY」の3つを教育の柱とし、これらを実現するために必要な能力やスキルを明確にしています。また、職務区分ごとに求める人材像を設定し、双方をもとに個々の研修カリキュラムを作成しています。
更に、社員は毎年職場の上司と面談を行い、将来のありたい姿について話し合う機会を設けています。自分の将来像を上司と共有することで、今後のキャリアについてより理解を深め、次の成長につながるような人材育成を目指しています。

三菱自動車の教育体系

教育の柱をもとに、新入社員から部長クラスまで、体系的な人材育成が図られるよう、人事部門が全社教育体系を整備しています。業務を通じて成長する、職場でより活躍していく人材を輩出すべく、教育プログラムの充実に取り組んでいます。
社員の職務区分に応じた研修カリキュラムにとどまらず、管理職向けの選抜型研修、eラーニングを活用した全社員向け研修や、希望者が自主的にプログラムを選択して受講する選択型研修など、様々な社員研修プログラムを企画・実施しています。特に2023年度においては、近年、採用を拡大しているキャリア採用者が三菱自動車に早く馴染み、力を発揮してもらうことを目的とした職場受け入れ体制の強化(メンター・1 on 1の必須化)や工場・開発施設見学による現場理解の機会創出、同時期入社のつながり醸成のための集合研修の開催といったキャリア入社者フォロー施策の実施や、中期経営計画に掲げているDXリスキリングプログラムを全社員に導入しました。

教育・リスキリングプログラムの充実

海外との相互社員派遣研修制度の拡大

海外との相互社員派遣研修制度の拡大

当社では、海外での生産・販売台数の増加にともない、世界的な視点で考え、活躍できる人材を育成する取り組みに力を入れています。海外のステークホルダーとの連携に欠かせない英語力について、計画的に向上を図る研修を用意しており、初・中級者には基礎力向上のための研修を設けているほか、当社の注力地域であるアセアンを中心に若手社員を1年又は2年派遣(現地関連会社での実務経験1年あるいは語学研修1年+現地関連会社での実務経験1年)する海外業務研修プログラムGCDP(Global Career Development Program)を実施しています。2022年度には公募枠を新設し、要件を満たす社員は誰でも応募できるようにしました。
また、本施策を海外関係会社にも拡大し、2023年度からは関係会社から当社への派遣研修を開始し、海外関係会社社員も含めた人材育成の促進を図っています。

社員研修プログラムの表

DXリスキリングプログラムの導入

自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えており、IT/Digitalテクノロジーの進歩によって、ビジネス環境は日々ドラスティックに変化しています。また、今後はデジタルネイティブのZ世代が自動車購入・利用者層の中心となることを想定したデジタルトランスフォーメーションを進める基盤構築が必要と考えています。このような背景のもと、IT/Digital領域における15年先の目指す姿について全役員で議論し、テクノロジーの力を最大限に活用し、未来に向けて前進するためには、全社員がIT/Digitalリテラシーを備えることが重要と考え、中期経営計画「Challenge 2025」の主要なChallengeの一つである「デジタル化推進・新ビジネス領域への進出」の取り組みの重要テーマとしてデジタル人材育成を掲げました。2023年度はデジタル人材育成のファーストステップとして、全ての役員と間接社員を対象に「IT/Digitalリテラシー向上研修」(計6時間)を実施し、全社員の変革マインドの醸成に取り組みました。今後は、三菱自動車に必要なIT/Digital人材像を定義し、より高度なデジタル人材の育成に必要な教育を段階的に実施していきます。

専門性評価と昇給/昇進システムとの連動

2022年度の人事制度改正において、行動評価の一項目として「専門性」を追加しました。これは、各組織で求められる専門的な知識とスキルの体得度及びその専門性を通じた行動の実践度を評価することで、社員一人ひとりのさらなる成果創出とパフォーマンス向上を企図したものです。「専門性」を通じて、専門性の認識・動機付け、実践・フィードバック、能力開発・成長と繋がり、これらが評価結果という形で昇給・昇進と連動する仕組みとしています。毎年の評価を通じてこのサイクルを循環させることで、専門性の成長にもとづいたキャリアアップや新たな挑戦を生み出していきたいと考えています。
導入当初の2022年度は暫定的に全社基準を設定し、評価を実施しましたが、2023年度を通して部門別の評価基準を策定し、2024年1月から正式に導入を開始しました。今後は、これらの部門の評価基準を踏まえて、専門性の強化を促すべく、全社及び部門がそれぞれOJT/OffJTの双方で教育施策の充実に取り組んでいきます。

次世代リーダーの育成

次世代リーダーの育成

実務を通した経験に加えて、計画的な育成により次世代リーダー人材の育成を図っていくことが重要と考え、管理職以上を対象に選抜型プログラム(リーダーシップ・デベロップメント・プログラム)を実施し、次世代リーダー人材の育成を行っています。
約7カ月間にわたるプログラムでは、各職位毎に目指すリーダー像を定義の上、将来、経営を担うために必要な知識の習得と思考力の訓練を行い、段階的な成長を支援しています。
また、経営人材の計画的育成と配置を目的としたタレントマネジメントとして、当社では社長、副社長、執行役を含む会議体「主要ポスト人事事前検討会」にて、役付執行役から関係会社社長、社内の本部長など、事前に「主要ポスト」と定めた各ポジションのサクセッションプランについて議論しています。議論のベースとなるサクセッションプランは各部門のトップが毎年更新し、「1-2年以内に後任になりうる人材」「3-5年以内に後任候補になりうる人材」「将来候補になるポテンシャルを有する人材」の3層を、各部門の内外からリストアップして人事部門と共同で作成しています。
また各本部においても部長サクセッションプランを毎年作成し、本部長及び人事部門を交えた人事会議を開催し、次年度の配置や候補人材の育成について議論しています。

キャリア形成支援

キャリア開発

キャリア形成にあたっては、社員一人ひとりが業績や能力、ライフプランから主体的に目標を持ち、能力向上につなげられる仕組みを整えてきました。
キャリア開発の具体的な進め方は、社員が自己のキャリアを棚卸しし、将来進みたい方向と中長期的なキャリアデザインを記載した「キャリア・デベロップメント・プラン」にもとづき、毎年上司と面談を行います。この面談を通じて、自身の課題を客観的に把握し、納得感と高いモチベーションを持って、自らのキャリア形成を進めることを目指しています。
新卒入社の事務系社員には、複数部門の業務を経験することにより、幅広い知識・見識と社内の幅広い人脈を有する全体最適思考の視点を持った人材に育成するべく、「第二配属制度」という仕組みにより、初任配属から3-5年経過したタイミングで部門を超えたローテーションを実施しています。
また、これ以外にも部門内ローテーションや、業務上関係性のある他部門へのジョブローテーション、営業部門から販売会社への派遣など、多様な経験や高度な専門性を有する人材の育成に取り組んでいます。

生涯教育の支援

生涯教育の支援

当社では、2021年4月に施行された「改正高年齢者雇用安定法」にもとづき、60歳以上の定年退職者の再雇用を推進し、熟練者の技術や知識・経験の着実な伝承を図っています。
また、労働組合との共同事業の一つとして、50歳以上の社員を対象に、定年後の生活設計のアドバイスなどを行う「グッドライフセミナー」を定期的に開催するなど、生涯キャリア開発の支援にも取り組んでいます。

女性社員の活躍推進

女性社員の活躍推進

当社は、「女性活躍推進」を重点課題として、継続的に取り組んでいます。2014年度から公益財団法人21世紀職業財団が主催する女性活躍サポート・フォーラムに当社の管理職候補者や現役管理職を選抜し、派遣しています。また、2017年度からは、公益財団法人あいち男女共同参画財団主催のセミナーへも管理職候補者を派遣しています。
当社は、女性活躍推進法にもとづき、2024年4月に「女性活躍推進行動計画」を新たに策定し、2029年3月までに、女性管理職比率と間接従業員に占める女性比率とのギャップを埋めることを目標とする取り組みを進めています。