ガバナンス
基本的な考え方
人口増加や新興国の経済成長等により、鉱物や化石燃料をはじめとする資源の消費量が増加しています。当社グループは、より少ない資源を投入し、効率的に利用して自動車を製造することが自動車の価値の向上につながることから、資源の有効利用を重要な課題と捉えております。
環境計画パッケージでは資源循環を当社グループが直接的に取り組む環境課題の一つと位置付けており、資源循環型社会の実現への貢献を目指し、投入資源の最小化と資源効率の最大化に向けた取組みを推進しております。こうした方針のもと、新型車へのリサイクル材の適用、電動車の使用済みバッテリーの再利用に関する目標を定め、継続的に取り組んでおります。
マネジメント体制
当社では「資源循環の取り組み」を含むマテリアリティに関して、サステナビリティ委員会で各取組み責任者が長期視点で洗い出しを行ったリスクと機会を確認するとともに、取組み目標を審議・決定し、その進捗を確認することによりPDCAを回しております。更に、サステナビリティ全般の活動状況は、取締役会で審議・報告する体制としております。
戦略
リスクと機会
当社グループは、「資源循環の取り組み」をマテリアリティの一つとして位置付け、これに紐づくリスク及び機会を踏まえ、環境計画パッケージにおける重要課題として対応しております。その上で、製品及び事業活動の二つの側面から、投入資源の最小化と資源効率の最大化に取り組み、資源循環に配慮した事業運営を通じて、資源循環型社会の実現に貢献していきます。
リサイクルに配慮した設計・開発
日本、欧州、中国をはじめ各国では、自動車リサイクルに関する法制化が進み、リサイクルに配慮した製品開発が自動車メーカーに求められております。
当社は、リサイクルだけでなく、リデュース、リユースの3Rを積極的に取り入れた設計・開発を進めております。
また、プラスチックリサイクル材やバイオマスプラスチックをはじめとする脱石油資源プラスチック材の採用拡大を推進しており、衣類等を回収・リサイクルした古衣料リサイクル材をダッシュボードといったサイレンサー部品に、バイオマスプラスチックをステアリングホイールガーニッシュ等の内装部品に採用しております。引き続き、脱石油資源プラスチック材の採用を拡大するため、開発を進めていく予定です。
TOPICS
熱可塑性樹脂の採用
2025年に販売開始した『デスティネーター』は、外装及び内装にリサイクルが容易な「熱可塑性樹脂(※1)」を採用しております。
- 熱可塑性樹脂:常温では変形しにくいが、加熱すると軟化して成形しやすくなり、冷やすと再び固くなる性質を持つプラスチック。
熱可塑性樹脂の主な採用箇所(グリーン部)
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外観
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内装
使用済自動車のリサイクル促進
当社グループは、使用済自動車の廃棄物が環境に与える影響を低減するため、使用済自動車のリサイクルを推進しております。日本やEU等では、各国の自動車リサイクル法に基づいてリサイクルを促進し、今後、アセアンにおいても制定の動きがある自動車リサイクル法にも確実に対応していきます。
また、環境ターゲット2030において、取り組むべき事項の一つに電動車の使用済みバッテリーの再利用を掲げており、省資源の観点から、使用済みバッテリーの活用に向け取り組んでおります。
電動車の使用済みバッテリーの再利用
電動車の使用済みバッテリーのなかには、他の用途であれば十分に活用できる充電容量を残しているものがあり、省資源の観点から、使用済みバッテリーの有効活用が電動車の課題の一つとなっております。当社では、蓄電用途での活用の可能性を確認するため、岡崎製作所に大規模太陽光発電設備と併せて、『アウトランダーPHEV』(旧モデル)の使用済みバッテリーを活用した蓄電システムを設置し、実証を行っております。
また、電動車用の急速充電器及び双方向充電器と連携する2つのコンセプトの実証設備を2023年1月に岡崎製作所に設置し、実証試験を行っております。将来的には蓄電設備メーカーと連携して、当社グループの販売会社の店舗等への導入を目指していきます。
更に、当社とMIRAI-LABO株式会社は、電動車の使用済みバッテリーを用いた自律型街路灯の開発を進めてきました。自律型街路灯は、日中に太陽光で発電した電力を電動車の使用済みバッテリーに蓄電し、夜間はその電力でLED照明を点灯させるものです。当社は2022~2023年度に岡崎製作所、水島製作所、京都製作所、十勝研究所の所内に計24基の自律型街路灯を設置して実証実験を行い、2025年3月より販売を開始しました。販売開始以降、岡崎市社会福祉協議会サービスセンターに1基、岡崎市図書館交流プラザ りぶらに3基設置しております。
これらに加え、当社グループは、日本、欧州、北米において、電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHEV)の使用済みバッテリーのリサイクル技術開発・適正処理を目的として、使用済みバッテリーの回収体制を構築し運用しております。
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急速充電器及び双方向充電器と連携する2つのコンセプトの実証設備(岡崎製作所)
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愛知県岡崎市に設置された自律型街路灯
リスク管理
国内自動車リサイクル法への対応
国内では、2005年に施行された自動車リサイクル法に基づき、使用済みとなった自動車のシュレッダーダスト(ASR(※2))、エアバッグ類、フロン類の3品目を引き取り、再資源化を行っております。 ASRのリサイクルは、ART(※3)に参画し、ASRを共同処理しています。新規処理施設の開拓などにより、2025年度のASR再資源化率は96.1% で、2015年以降の法定基準70%を大幅に上回りました。引き続き、安定的にASRがリサイクルできるように新規リサイクル施設の開拓を推進します。
エアバッグ類、フロン類は、一般社団法人自動車再資源化協力機構に処理業務を委託しております。
- ASR:Automobile Shredder Residueの略称。自動車破砕残さ
- ART:Automobile shredder residue Recycling promotion Teamの略称。日産自動車株式会社、マツダ株式会社、当社など12社で設立した自動車破砕残さリサイクル促進チーム
EUでのリサイクル促進
EU自動車リサイクル法への対応
EUでは、2000年に発行されたELV指令(※4)に基づき、自動車メーカー又は輸入業者に使用済自動車の引き取り・リサイクルが義務付けられています。
当社グループは、欧州の現地法人であるMitsubishi Motors Europe B.V.(MME)を中心に、EU加盟国の実情に合わせた引き取り・リサイクルの体制を構築しております。
- ELV指令:使用済自動車に関する欧州議会及び閣僚理事会指令
解体情報の提供
EUでは、新型車の解体情報を解体業者に提供することが義務付けられているため、当社は自動車メーカーが共同で設立した解体情報システム「IDIS(※5)」を利用して、タイムリーに情報を提供しております。
- IDIS:International Dismantling Information System
EUリサイクル可能率認証指令への対応
EUでは、リサイクル可能率95%以上を達成することが自動車の型式認証要件となっており、当社グループは本指令の要求事項に適合させる体制を構築しています。当社グループがEUで販売する車両は、この体制のもと本指令の要求事項に適合させています。
生産活動における排出物の発生抑制と再資源化の取り組み
資源の有効活用/リサイクルのイメージ
生産工場では、生産過程において発生する廃棄物などの排出抑制に計画的かつ継続的に取り組んでおります。また、発生した廃棄物については、処理コストの最適化を図るとともに、資源としての有効活用を一層推進するため、分別方法及び処理方法の継続的な改善を実施しています。
TOPICS
ケミカルリサイクルによる作業服の再資源化(国内生産工場)
リサイクルのために収集された作業着
生産過程で発生する産業廃棄物については、各種リサイクル処理を通じて資源の有効活用を推進しています。
これまで、不要となった作業服については、一部をリユースしたうえで焼却処理を行い、その熱エネルギーを回収するサーマルリサイクルを実施していました。
一方、2025年度からは、環境省の広域認定制度(※6)を活用した処理施設での分別及び化学処理によるケミカルリサイクルを開始しました。これにより、不要となった作業服を、再び作業服の原料に戻すことが可能となりました。
今後も持続可能な生産活動への取組みとして、限られた資源の有効活用と資源循環の推進を通じて、サーキュラーエコノミー社会の実現に貢献していきます。
- 環境省 広域認定制度:環境大臣によって認定される産業廃棄物処理業に関する地方公共団体ごとの許可を不要とする特例制度。制度活用により産業廃棄物を広いエリアで回収・リサイクルできる。
TOPICS
社内リユースアプリを活用した資源有効活用の取組み(国内生産工場)
社内向けリユースアプリのマッチング画面イメージ
当社では、資源の有効活用を図る取組みとして、社内向けのリユースアプリを開発しました。
本アプリは、余剰物品を必要とする部門へマッチングすることで、資源の有効活用を推進するものです。
本取組みは、資源循環の促進のみならず、新規購入の抑制にもつながります。
今後は、拠点間でのリユースの実現に向けた検討を進めることで、より広域での資源循環体制の構築を目指します。
指標及び目標
直接埋立廃棄物のゼロ化
事業活動から発生する廃棄物について、環境ターゲット2030で掲げる「直接埋立廃棄物のゼロ化(0.5%未満)」に向け、社外排出量の低減、再資源化を推進しております。2025年度は環境マネジメント対象会社において、直接埋立廃棄物ゼロ化(0.5%未満)を達成しました。
プラスチック資源循環促進法に関する対応
当社は2024年度にプラスチック使用製品産業廃棄物等(以下、廃プラ)の再資源化率100%(※7)を達成し、以降継続しております。今後も廃プラのリサイクルを推進し、再資源化率100%を継続します。
プラスチック使用製品産業廃棄物などの排出量・再資源化率
(岡崎製作所、水島製作所、京都製作所)
| 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
|---|---|---|---|
| 排出量 | 1,796t | 1,973t | 1,942t |
| 再資源化率 | 97% | 100% | 100% |
- 再資源化率は、一般社団法人日本自動車工業会の再資源化率の算出方法に基づいて計算