事業を通じた地域経済への貢献

基本的な考え方

当社グループは、アセアン地域でモータリゼーションが興る以前より事業を展開し、「地域の発展が当社グループの発展につながる」という考えのもと、地域に寄り添いながら各国とともに成長してきました。
長年にわたる事業活動を通じて、展開地域における社会課題の解決に積極的に取り組むとともに、地域の活性化や市場の育成、消費者ニーズの把握を進めてきました。こうした取組みは、当社の事業基盤及びブランド力の強化にもつながり、「地域の発展」と「当社の持続的成長」の両立を実現するものと考えております。
当社にとってアセアン地域は、成長戦略の中核を担うコア市場であり、持続的な事業成長を支える重要な基盤です。
当社の中長期ビジョンでは、「尖った商品・ブランドの強化による成長」と「構造転換による競争力強化」を両輪とし、アセアン地域を中心とした事業成長を目指しております。この考えのもと、電動化をはじめとする技術の進化や新商品の継続的な投入、バリューチェーン事業の拡大を推進することで、地域経済への貢献と当社の持続的成長の両立を図っております。
また、「事業を通じた地域経済への貢献」をマテリアリティの一つに位置付け、雇用の創出、投資の拡大、技術移転、輸出に加え、自動車産業を支える人材育成(地域経済を担う人材の成長支援)に取り組んでいます。これらを通じて、アセアン地域における事業の発展と地域経済への貢献を一体的に推進していきます。
更に、アセアン地域の社会ニーズに応えるべく、環境及び社会分野においても、当社グループの技術・サービスを活かした取組みを進めております。

マネジメント体制

アセアン地域でのマテリアリティ「事業を通じた地域経済への貢献」への取組みは、現地子会社が活動計画の策定および実行を担い、責任部門として当社営業部門が取組みを管理・監督しております。生産拠点を持つタイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムの4カ国の現地子会社については、年2回、当社営業部門において取組みの進捗や実績を確認し、サステナビリティ委員会を通じて経営層に報告を行っております。

雇用

当社は、アセアン地域を重要な事業基盤と位置付け、商品力の強化及び電動化への対応を進めております。
近年、カーボンニュートラル社会の実現に向けた各国の政策が相次いで発表されていることを背景に、当社グループにおいても電動車の展開を加速させております。
タイにおいてはエクスパンダーシリーズのHEVモデルに続き、新型SUV『エクスフォース(HEV)』の生産・販売を開始しました。
また、2025年度には、インドネシア、フィリピン、ベトナムにおいて新型ミッドサイズSUV『デスティネーター』を順次市場投入しました。
これらの事業活動により、企業の事業利益の創出だけでなく、アセアン地域における雇用の拡大も計画しております。生産拠点のあるタイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムの4カ国における2025年度の従業員数は約1万300人であり、2026年度も現地の事業拡大に取り組み、現地雇用の持続的な創出に繋げていきます。

人材育成

産業の高度化をめざすアセアン地域において、当社グループでの自動車の製造や販売、サービスなどの就業経験は、専門的な知見や技能を培い、地域経済の発展を担う産業人材の育成につながっております。

主な教育・研修プログラム(2025年度)

エリア 対象者 内容
タイ 工業系大学8校の学生19人 地域経済の担い手となる人材を育成するインターンシッププログラム
インドネシア 現地社員256人 職務レベルに合わせた業務スキルの習得をめざす研修
フィリピン 現地社員10,502人
(延べ受講者数)
業務スキルの強化と専門性・生産性の向上を目的とする複数の研修
ベトナム 現地社員451人 職位や分野に応じた業務スキルの強化と専門性の向上を目的とする研修
各国 現地社員 各国の状況に応じた研修・OJT

投資

地域経済の成長を支える工場の設備投資を継続的に実施しております。中長期ビジョンでは、電動化や新商品投入に対応した成長投資を推進しています。特に、電動車の生産体制強化や、生産能力の最適化、AI・DXの活用による生産性向上を進めており、同地域において事業成長を実現すべく積極的な研究開発投資と設備投資を継続して行う予定です。

主な投資案件

2025年度実績 インドネシア:デスティネーターの生産立上げに伴う設備投資を実施
今後の計画 フィリピン:HEVモデルの現地生産を検討

技術移転

当社グループは、海外の技術移転を重要な経営基盤と位置づけ、重要地域であるアセアン地域を中心に、各国における現地生産を通じて、ものづくり力の高度化と競争力の強化を推進しております。中長期ビジョンに掲げる「成長戦略と構造転換の両立」のもと、電動化・知能化への対応やAI・DXの活用による生産性向上など、新たな価値創出に向けた取組みとあわせて、日本で培った技術・ノウハウの海外展開を加速しております。2025年度は、新型『デスティネーター』や新型クロスカントリーSUV『パジェロ』などの生産準備を通じて、日本で培ってきた電動車も含めたものづくり技術の海外移転を更に加速しました。
加えて、現地子会社(製作拠点)のものづくり競争力を強化するために導入した「Buddy制度」も海外・国内工場がともに成長する枠組みとして定着しております。国内工場が海外工場の「Buddy」となり、人材育成も含めた実務的な支援を行うことで、新型車の製造ラインの立ち上げから、量産車の生産に至るまで、品質管理や物流改善など幅広い分野で競争力強化やノウハウの伝授を進めております。
生産部門には、ものづくりの考え方を示すMMPW(Mitsubishi Motors Production Way)があり、2025年度に新たに『お客様の満足と感動』の実現をスローガンとして刷新しました。本MMPVは、工程完結による品質の造り込み、ムリ・ムラ・ムダ排除の徹底、更には将来の変化に備えた予測と準備や、新たな可能性の研究を基本としており、日本を中心に国内外へ展開・周知しております。
これらの考え方のもと、日本で培ったものづくり技術やノウハウを各拠点へ展開し、軽自動車からフラッグシップであるパジェロに至るまで、本MMPWに基づいた一貫したものづくりを実践しております。
更に、従業員のモチベーションアップとものづくり力強化を目的に「ものづくりスキル」「からくり改善®」「QCサークル活動」の3つのコンペティションをグローバルで開催しており、アセアン地域にある多くの海外工場からも従業員が参加し、拠点間の相互刺激や連携強化につながっております。アセアン地域の各拠点には、ものづくりのスキル、現場管理の知識を伝承するマスタートレーナーを配置しており、当社のグローバルマスタートレーナーによる育成・認定を通じて現地に根付いた人材育成体制を強化しております。2025年度までに基礎教育のトレーナー育成が完了し、続いて高技能教育のトレーナー育成を開始しております。
また、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムの技術系大学や職業訓練校に奨学金や実習車両を提供し、現地人材の技術習得を支援しました。加えて、自動車産業に携わる職業訓練校の学生が最新の技術や業界のニーズを理解できるよう、教師向けオンラインセミナーを開催しました。
これらの取組みを通じて、現地ニーズに応じた多角的な支援を行い、技術移転のさらなる推進を図っております。

輸出

輸出を通じて外貨を獲得することで、地域経済の持続的な成長を支えております。
当社グループの海外生産拠点であるMitsubishi Motors (Thailand)Co. , Ltd. とPT Mitsubishi Motors Krama Yudha Indonesiaは戦略的な立地を活かし、ピックアップトラック、SUVなど当社の主力車種をアセアン地域のみならずグローバルに輸出しています。

環境・社会貢献

アセアン地域においても環境規制への対応がますます重要になるなか、当社グループは電動車の技術や知見を活用し、また各地域のパートナーと協力して、アセアン地域で持続可能な事業を実現するとともに、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取組みを推進しております。また、各国での災害時の被災地への寄付、車両や部品の教育機関への供与や職業訓練校での教育・トレーニング、植林や廃棄物リサイクル活動への参加など、ビジネス以外でも地域に根付いた環境・社会貢献活動に取り組んでおります。