取締役
代表執行役社長 兼 最高経営責任者
加藤 隆雄
新しい時代の転換点に挑戦し、持続的成長と企業価値の向上を実現します。
ここ3年間程猛威を振るった新型コロナウイルスは、ようやく収束の目途が立ち、人々の生活も通常に戻りつつあります。一方で、依然として出口の見えないロシア・ウクライナ情勢、またこの数十年みられなかったレベルのインフレの広まりと、それらを抑制するための急激な金利上昇、世界的な景気後退懸念など、当社を取り巻く環境は不確実性を増しております。このような状況下において、当社は、22年度までの中期経営計画「Small but Beautiful」を目標をオーバー達成する形で終える事ができ、新たに23~25年度の中期経営計画「Challenge 2025」を発表致しました。
自動車業界は「100年に一度」の、大変革の時代を迎えています。地球温暖化対策としての電動化に加え、AIやIoTなどテクノロジーの発展により、人の移動とモノを運ぶための手段であった自動車の概念が大きく変り、自動車業界は新しい時代に向かおうとしています。
当社は次の3年間が当社にとって新しい時代に変わって行く為の大きな転換点となるであろうと考え、この3年間に当社自身が変わって行かなければならないという挑戦、そして新しい時代に対応していく為の備えとして、経営基盤を一層強化しなければならない、という挑戦、この二つの挑戦を成し遂げるという思いを込めて「Challenge 2025」という名前に致しました。
「Challenge 2025」では、これまで行ってきた構造改革により筋肉質で機動的となった経営体質を基盤に、地域戦略の「選択と集中」と、全社で取り組んでいる「手取り改善活動」を継続したうえで、安定的な収益基盤を確立していく計画としております。また、これまで以上に研究開発費と設備投資を安定的に投じ、特に、電動化、IT分野、新事業への支出割合を増やすことで、持続的成長を実現します。
商品面では、地球規模の気候変動問題解決/カーボンニュートラル実現に向け、電動化を進めます。地域戦略は、従来の「選択と集中」を更に加速し、各地域の役割を明確化した上で経営資源を配分します。
事業面では、バリューチェーン拡大を図ると共に将来の新たな収益源とするべく新事業へ挑戦します。また、三菱自動車らしい商品や技術を通じお客様との長期的な信頼関係を構築し、ブランド価値を訴求します。
そしてブランド価値をお客様により一層ご理解頂くために「三菱自動車らしさ」の再定義を行いました。三菱自動車が目指す姿、つまり「三菱自動車らしさ」とは、環境面で社会に貢献するとともに、安全・安心・快適をお客様に提供することであると考え、「『環境×安全・安心・快適』を実現する技術に裏付けられた信頼感により、冒険心を呼び覚ます心豊かなモビリティライフをお客様に提供すること」と定義づけました。
これを、お客様に訴求、共感頂く事で、三菱自動車ブランドを強化し、価値訴求ビジネスの浸透を図っていきたいと考えています。
今後も当社は、「モビリティの可能性を追求し、活力ある社会をつくる」というビジョンのもと、持続可能な社会の実現と当社の持続的成長を目指し、当社が事業を行う上でのマテリアリティ/最重要課題を整理し、カーボンニュートラルの実現の他、人権を尊重すると共に多様な人材が活躍できる職場の確立や、全てのステークホルダーに対する透明性の高い経営を目指して参ります。
2023年4月