世界経済は、通商政策の変化、地政学的リスクの高まりなどにより、先行きの見通しが極めて難しい局面にあります。自動車業界においても、環境規制や競争環境の変化、お客様の価値観の多様化など、大きな転換期を迎えています。こうした中、当社が持続的に成長し、企業価値を高めていくためには、私たちならではの強みである「三菱自動車らしさ」を明確な価値として磨き上げ、お客様にお届けしていくことが重要であると考えています。
その考えに基づき、2030年代に向けた中長期ビジョンにおいて、「尖った商品・ブランドの強化によりお客様満足と企業価値を向上」を中長期的な方向性として掲げました。この方針のもと、ブランドを軸とした「成長戦略」と、収益体質の強靭化に向けた「構造転換」を両輪として推進し、環境変化に左右されにくい持続的成長基盤を確立することで、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。
私たちが考える「三菱自動車らしさ」とは、「環境×安心・安全・快適」という価値を、商品として具体化し提供していくことにあります。その基盤には、悪路走破性や登坂性能に代表される走行性能、厳しい環境に耐える信頼性・耐久性、そして電動化技術を含めた環境性能といった、当社が培ってきた技術があります。これらを起点に、地域ごとのニーズに応じた最適な価値を提供していくことが「三菱自動車らしさ」の本質であると考えています。
この「三菱自動車らしさ」をより鮮明にするため、当社の強みを最も発揮できるアセアン商品群とオフロード商品群に経営資源を集中していきます。また、ブランドの象徴として『パジェロ』を投入し、将来に向けたシリーズ展開を図ることで、尖った商品・ブランドの強化を図ってまいります。
同時に、持続的成長を支える基盤として、収益体質の強靭化にも取り組んでいます。具体的には、部品・コンポーネントの共用最適化、グローバル調達戦略の推進、生産能力や固定費構造の見直し、AI・DX活用による生産性向上を通じて、環境変化に強い収益基盤を構築し、安定的に成長投資と株主還元を支える体制を整えてまいります。
また、これらの取り組みを支える基盤として、カーボンニュートラルへの対応、人権の尊重、多様な人材の活躍推進、そしてコンプライアンスの徹底とガバナンスの強化にも引き続き取り組んでまいります。
株主・投資家の皆様との対話の中では、「三菱自動車の商品の独自性が今後の強みになる」と評価をいただいており、当社の方向性への手ごたえを感じています。今後も、「三菱自動車らしさ」の追求と収益基盤の強化を両立することで、不確実な環境下においても持続的な成長を実現し、企業価値の向上につなげてまいります。
すべてのステークホルダーの皆様とともに、より良い未来の実現に向け挑戦を続けてまいります。引き続き、三菱自動車の成長にご期待ください。
2026年