十勝研究所 いきもの調査

十勝研究所でいきもの調査を実施しました

十勝研究所は、十勝平野の中央部に位置する北海道河東郡音更町にあり、国内最大級の広さを誇るテストコースを有します。十勝研究所における土地利用が生物多様性に与える影響を把握し、生物多様性保全に向けた取り組みを行うことを目的に、2018年5月から2019年2月までいきもの調査を実施しました。

十勝研究所

十勝研究所

十勝研究所内の景観

十勝研究所内の景観

今回の調査の位置づけ

当社は2010年に「三菱自動車グループ生物多様性保全基本方針」を制定・公表し、当方針のもと、2019年度までに当社国内主要拠点でのいきもの調査の完了を目指しています。

2013年に京都製作所 滋賀工場(滋賀県)、2016年に岡崎製作所および技術センター(愛知県)、2017年に水島製作所(岡山県)でいきもの調査を実施し、さまざまな在来種の生息を確認するとともに、調査結果に基づいて、外来種駆除や在来種の保護・育成などの生物多様性保全に取り組んできました。

主要な開発拠点の一つである十勝研究所においても、生物多様性保全活動を進めるべく、その第一段階として、いきもの調査を行いました。

1年を通じたいきもの調査

製作所内の動植物の生息・生育状況を1年に亘り現地調査しました。2018年の5月に春のいきもの調査を開始し、春、夏、秋、冬とそれぞれ調査を実施し、植物、哺乳類、鳥類、昆虫類、水生生物について調査しました。

当調査は、生物調査・分析の専門家である株式会社地域環境計画へ委託しました。

植物調査の様子

植物調査の様子

水生生物調査の様子

水生生物調査の様子

鳥類調査

鳥類調査

調査結果

十勝研究所いきもの調査レポート

十勝研究所いきもの調査レポート

調査の結果、十勝研究所において、841種もの動植物の生息が確認されました。その中には、35種の希少種も含まれます。

耕作地が多くを占める音更町において、丘陵部に位置する十勝研究所の森は、針葉樹の植林地、落葉広葉樹林、池や川、草地など多様な環境が混在し、それぞれの環境を好むいきものに生息環境を提供していることが分かりました。

今回の調査結果については、「十勝研究所いきもの調査レポート」として取りまとめ、自治体や地域の方々とのコミュニケーションやイベントなどで紹介するほか、社員の環境啓発に活用します。

フクロウ

フクロウ

キタキツネ

キタキツネ

エゾリス

エゾリス

今後の取り組み

今回の調査結果をもとに敷地内の希少種や外来種の情報を掲載した『ハンディ図鑑』を作成し、施設管理担当者へ配布するほか、勉強会を開催して、生物多様性に配慮した緑地管理などを行います。

十勝研究所の草木が生い茂る落葉広葉樹林も、植林して作った人工林も、草刈り後の明るい草地も、それぞれの環境を必要とするいきものが暮らしており、そのどれもが、十勝研究所の森の生物多様性にとって欠かせないものです。当社は、こうした多様な環境を維持していくために、ときに見守り、ときに適切に手を加えていく姿勢をもって、「人といきものが共生する十勝研究所」をつくっていきたいと考えます。