京都工場の緑地を活用したビオトープづくり
![ビオトープ](/jp/sustainability/sustainabilitynews/2021/03/images/26_01.jpg)
憩いの広場
京都工場では、構内の緑地「憩いの広場」を整備して、ビオトープ(*)をつくりました。もともと広場にあった池や草地に手を入れ、トンボやバッタなどの昆虫が生息しやすい環境を整えました。
(*)ビオトープ:生物が自然な状態で生息している空間
いきもの調査の結果を活かした活動
![マユタテアカネのヤゴ](/jp/sustainability/sustainabilitynews/2021/03/images/26_02.jpg)
いきもの調査で確認されたマユタテアカネのヤゴ(都市部ではめずらしい種)
2019年度に実施した いきもの調査の結果から、京都工場はかつて地域に見られた植物や昆虫が局所的に生き残っている場所(レフュージア)になっており、地域の生物多様性を保全するうえで重要な環境であることがわかりました。「憩いの広場」には池や草地があり、社員が一息つける場所となっています。いきもの調査では、広場にある池で4種類のヤゴ(トンボ類の幼虫)が確認されたほか、工場周辺の緑地に比べ、多様な種類の昆虫類が見つかりました。そこで、2020年度は広場の池を活用してビオトープをつくり、周辺を整備して、昆虫類の生息場所としての機能を高めることにしました。
ビオトープのつくりかた
![池](/jp/sustainability/sustainabilitynews/2021/03/images/26_03.jpg)
水を抜いた池
◆池の底上げ
「憩いの広場」にある池は水深が130㎝あり、水生植物を配置するには深すぎるため、一旦水深が30㎝くらいになるまで水を抜き、ブロックを積んで底上げしました。
◆水生植物の植栽
底上げした池に地域の在来種で希少水生植物のオニバス・アサザ・コガマを植栽しました。水生植物の苗は京都市南部クリーンセンター内の環境学習施設「さすてな京都」より株分けいただきました。さらに、従来から京都工場内で育成していた古代蓮を池に植栽し、池に水生植物を配置することで、ヤゴが羽化の際に登ったり、水生昆虫が隠れたりできる場所を作りました。
![オニバス](/jp/sustainability/sustainabilitynews/2021/03/images/26_04.jpg)
オニバス
![アサザ](/jp/sustainability/sustainabilitynews/2021/03/images/26_05.jpg)
アサザ
![コガマ](/jp/sustainability/sustainabilitynews/2021/03/images/26_06.jpg)
コガマ
![古代蓮](/jp/sustainability/sustainabilitynews/2021/03/images/26_07.jpg)
古代蓮
地域との連携
「憩いの広場」の池で育成中のオニバスは順調に成長し、67個の種子を採取することできました。内、60個の種子をオニバスの苗を提供いただいた「さすてな京都」に里帰りさせました。種子は、「さすてな京都」から、希少水生植物の育成・繁殖に協力する京都市内の企業や学校などへ提供される予定です。残り7個の種子は、再び「憩いの広場」の池に植え付けし、オニバスの繁殖を目指します。
![オニバス](/jp/sustainability/sustainabilitynews/2021/03/images/26_08.jpg)
池に浮いた種子を採取(2020年9月)。
![アサザ](/jp/sustainability/sustainabilitynews/2021/03/images/26_09.jpg)
「さすてな京都」へ里帰りしたオニバスの種子(2021年3月)
担当者のコメント
![憩いの広場](/jp/sustainability/sustainabilitynews/2021/03/images/26_10.jpg)
現在の状況:水生生物を育成中の「憩いの広場」の池
「憩いの広場」の水生植物の育成を見守りつつ、昆虫たちの生息場所を無くさないように配慮することで、私たち人間も京都工場に暮らすいきものたちもホッとできる場所にしていきたいと思います。
また、希少水生植物の育成を通じて、地域の自然再生に取り組んでいきます。
(総務渉外部 京都総務 西村陽子)