ADAS(先進運転支援システム)を研究する中学生が来社

2022年09月07日
地域社会
交通安全
その他
日本
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@愛知県 岡崎市
三菱自動車工業株式会社 岡崎製作所 総務渉外部 河合

愛知教育大学附属岡崎中学校では、生徒一人一人が日常生活や教科の学習の中から課題を見つけ、自らの体験に基づいて解決を図ったり、広く地域社会に出かけて積極的に追究を深めたりする「Lifework」という総合的な学習に取り組んでいます。

7月27日(水)、研究テーマを「ADAS(先進運転支援システム)」に決めた、同校1年生の鄒 秉昀(すう へいいん)さんが来社されました。当日は、車両運動システム開発部ADAS設計担当マネージャーの井上から、30年前にADASの研究が始まった経緯や最新テクノロジー(高速道路 同一車線運転支援=MI-PILOT)を開発するときの課題とその克服方法、5年後はどのような技術が登場し実用化されているのかなど、ADASの過去・現在・未来をお話しし、その後以下質問を頂きました。

Q:MI-PILOTの開発当初、なぜ中央車線に寄り気味だったのですか?

A:車のステアリングの構造には、機械的な遊びや部品の公差があるため、車線の中央走るようにステアリングを制御しても、少しだけ中央からずれていることがあります。また、対面通行の高速道路など、車線の周辺に高さのあるポールなどの構造物があると、走行レーンを実のレーン幅より広く認識してしまうことがありました。そのため実際よりも広い幅の道路を走行していると認識してしまうと、実は車線に近づいて走っていることがあります。これらを克服するために、車に搭載した種々のセンサーによって得られた走行方向等の情報を計算して、ステアリングの切り方の修正や車線の認識方法の調整等を行っています。

Q:自動車会社がサイバーセキュリティ対策をする理由は何ですか?

A:ADASなどの電子システムは全て電子制御部品によって成り立っています。悪意を持ったハッカーなどの攻撃にあうと、ADAS機能が正常に動かなくなってしまう恐れがあります。そのため、サイバーセキュリティの対策を講じる必要があります。

来社された鄒さんの感想

今回の研究テーマを「安心安全の車社会を支えるため不可欠なADAS」と決めた理由は、私が日本の自動車王国である愛知県で育ち、いつも耳にするのは、愛知県の交通事故死亡数のワースト1位という言葉であるからです。また、身近でも事故に遭ったことがあり、どうやったら危険を予知し、その事故を防ぐことができるのか、どうやったら安心安全な車社会を達成できるのかが気になったためです。

電子制御技術によって安全運転を支援するADASを開発している人なら、その事故を防いで危険を回避できるのではないかと考えていたところ、未来に希望を与えるようなクルマづくりをしている会社が身近にあったため、訪問のお願いをしました。三菱自動車の方はとても優しく和みやすかったので、取材時は不必要に緊張せず、その分内容がすらすらとしっかり入ってきました。また、内容もとても濃く、研究資料をまとめるときは1枚では足りないほどでした。本当に貴重で有意義なお時間でした。

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