TRITON rally car

新型『トライトン』ラリーカーはタイ仕様のダブルキャブをベースとし、国際自動車連盟のグループT1規定(改造クロスカントリー車両)に沿った改造を施しています。3月のバンコク国際モーターショーで披露したコンセプトカーでは、エネルギーを内包した岩石をモチーフとしたシルバーとブラックのカラーリングとしていましたが、今回のラリーカーでは湧き上がる溶岩のエネルギーをモチーフとしたレッドとブラックのカラーリングに進化させました。
車体では、ロールケージやアンダーガードなどのラリー装備を装着する一方で、カーボン製のフード、前後ドア、荷箱を採用するとともに内装部品を大幅に軽量化した結果、従来車よりも一回り大きくなったボディでありながら従来車と同等の車体重量を実現しました。
ベース車でのトレッドの拡大に加え、ラリー専用の前後サスペンションや前後LSDを装着し、軽快かつ安定したドライバーの意のままのハンドリング性能を実現しました。また、軽量アルミホイールに昨年仕様よりもナロータイプのオフロードタイヤを採用することで、マッドなど悪路での走破性を向上させています。前後サスペンションにはツインダンパーを採用し、さらにバンプストッパーを追加したことで、路面からの強烈な衝撃を吸収するなど、堅牢性の高いシャシーをさらに強化しています。
新開発の2.4Lディーゼルターボエンジンは、フリクションロスの低減と軽量化を中心としたチューニングを実施するとともに、新しいターボチャージャーを搭載したことによって全域で出力向上を実現しました。なお、AXCRのスペシャルステージには川を渡る場面もあるため、各部のシーリングの強化やシュノーケル(吸気ダクト)の装着など、水回りの対策も行っています。

Spec

全長 × 全幅 5,320 mm × 1,865 mm
ホイールベース 3,130 mm
トレッド ( 前 / 後 ) 1,570 mm / 1,565 mm
エンジン形式 4N16型4気筒 MIVECターボディーゼル
燃料噴射装置 高圧コモンレール
排気量 2,442 cc
ターボチャージャー 「三菱重工エンジン & ターボチャージャ」製
最高出力 150 kW
最大トルク 470 N・m
変速機 6速マニュアル
4WDシステム スーパーセレクト 4WD-II
フロント / リヤデフ 「CUSCO」製 差動制限装置付
フロントサスペンション 独立懸架/ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
リヤサスペンション リジッド/リーフスプリング
ショックアブソーバー 「CUSCO」製 減衰力調整式ツインダンパー
バンプストッパー 油圧式
ステアリング形式 ラック&ピニオン(パワーステアリング)
ブレーキ 「ENDLESS」製 4ポッドブレーキキャリパー、ベンチレーテッドディスク、パッド
「FORTEC」製 ブレーキフルード
ホイール 「WORK」製 アルミニウムホイール ( 17in×7J )
タイヤ 「横浜ゴム」製 GEOLANDAR M/T G003 ( 235 / 80R17 )
その他特長 カーボン製 フード、前後ドアパネル、荷箱

DELICA D:5 support car

『デリカ』の誕生55周年の話題喚起策として「チーム三菱ラリーアート」を支える『デリカD:5』サポートカーを、合計4台投入します。リブボーンフレームによる堅牢なボディや様々な天候や路面でも最適な操縦性と走破性を提供する電子制御4WDシステムなど、『デリカD:5』が従来もつ特長を生かし、WORK社製のアルミホイールと、横浜ゴム製のマッド性能に優れるマッドテレインタイヤを装着することでフラットダートからマッドまでラリー全行程を走破できる仕様としています。競技車が走るコースサイドまで視察して戦略策定する増岡総監督が乗りこむ車両には、JAOS製の前後サスペンションを装着し、より悪路走破性を向上しました。なお、新型『トライトン』と同様、湧き上がる溶岩のエネルギーをモチーフとしたレッドとブラックのカラーリングとしています。