新型『トライトン』×竹岡圭

[相棒との冒険]XCR スプリントカップ北海道に挑戦 [相棒との冒険]XCR スプリントカップ北海道に挑戦

相棒である新型『トライトン』と共に、2024年7月に行われた「XCRスプリントカップ北海道」の第3戦「2024 ARKラリーカムイ」(以下ラリーカムイ)、同年9月に行われた第4戦「2024 RALLY HOKKAIDO」(以下ラリー北海道)に参戦した竹岡圭※さん。シェイクダウン(テスト走行)と位置づけたラリーカムイでクラス3位、本命のラリー北海道では台風の影響を受け準備していたパーツが間に合わず、ラリーカムイと同じ仕様のままオーバーホールだけを施して臨む形となりましたが、クラス4位の入賞を果たしました。

手応えをつかんだラリーカムイ 手応えをつかんだラリーカムイ

準備期間はわずか13日間という短期間で仕上げたため、『トライトン』ラリーカーに初めて乗ったのは本番前日。苫小牧港からラリー会場へ車両を搬送する時だったそうです。
7月5日、いよいよラリーカムイがスタート。関係者やファンの方々の暖かい声援を受けて、「まだスタートなのに、思わずウルッときました」と竹岡さんは話します。三菱自動車のクルマでラリーに参戦することは竹岡さんの長年の夢でもありました。
とはいえ、グラベル(舗装されていない道路)での走行も、ラリー前日のレッキ(コースを事前走行して確認すること)が初めて。スピードが出せないレッキですが、クルマの状態と自分の感覚を確かめながら、時間の許す限り調整を行い、『トライトン』との相性の良さに手応えを感じるようになったそうです。
2日間のラリーは雨に見舞われ、泥濘路から抜け出す際に少し重たさも感じたようですが、「トルクがあるので全く問題はありませんでした」と話します。クリーンディーゼルエンジンのフラットな出力特性が功を奏したようです。
セッティングを繰り返して挑んだ2日目は、自分の感覚と『トライトン』の走りがジャストフィット。楽しく走ることができたそうです。ただ、「楽しく走れることと、良いタイムが出ることは、また別の話ですね。クルマのセッティングは難しいです!」と、苦笑いしながらラリーカムイを振り返っていました。

ラリーカムイで実感した『トライトン』の素晴らしさ ラリーカムイで実感した『トライトン』の素晴らしさ

道幅が狭いコースでは、リタイアで止まっているクルマを避けるのに気を遣いますが、「車両感覚がつかみやすく、取り回しも良いので、まったく苦になりませんでした」と竹岡さん。オフロードでは幅の狭い道も多く、車幅ギリギリで走ることもあるので、車幅の感覚を取りやすくする工夫は、ピックアップトラックにおいて重要な要件。直線基調でタフなプロポーションながら良好な「視界」を確保した『トライトン』に竹岡さんも感心した様子。
一方、ハイスピードコースでは、ホイールベースの長さが効果を発揮したとのこと。グラベルでアクセルを踏んでも、タイヤが路面をしっかりグリップし、抜群の安定感だったそうです。また、足回りのセッティングを変えるかどうかを悩んだそうですが、多彩なドライブモードを駆使して見事に走破。「いろいろなドライブモードを試しましたが、個人的には、4HLc(四輪駆動でセンターデフロック)の「MUD」モードが走りやすく、自分のドライビングにも合っていました。監督も外から見ていて、そう感じたそうです」と話してくれました。

台風の影響にも負けず、いざラリー北海道へ 台風の影響にも負けず、いざラリー北海道へ

2024年8月にタイで開催されたアジアクロスカントリーラリー2024に「チーム三菱ラリーアート」のサポートカー『デリカミニ』ドライバーとしてチームに帯同し、間近でプロのラリードライバーと触れ合いながら、多くのヒントを得たという竹岡さん。ラリー北海道への準備時間は少ないながらも、「やり切れなかったことにすべて対応して挑みたい」と熱く語っていた通り、タイから戻った翌日には、早速コースに出てテスト走行を行いました。「ラリーカムイはD(ドライブ)レンジのまま走っていたので、より早く走るために、マニュアルモードの使いこなしを練習しました」とのこと。しかし、その後は台風の影響で、思い通りに準備することはできませんでした。それでも、「台風の状況を考えれば、参戦できるだけ幸せです」と、いつもながらに前向きです。

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そして迎えたラリー本番。タフな路面が長く続くハイスピードのスペシャルステージ(SS)では、「得意で好きです」と話す通り、前走車に追いつき追い越す快走を見せました。ブレーキへの負担がかかるコースなので不安もあったそうですが、「どんな状況でもタフで、そして、元の場所に安全に戻って来られる『トライトン』の凄さを改めて実感」しました。
2日目は、苦手とするジムカーナのようなSSの攻略に苦しんだり、他車が道をふさいだマシントラブルにより、最後のSSの2本目がキャンセルされたりと、不完全燃焼に終わった部分もありましたが、「これまでのラリーで乗ってきたクルマに比べて、車体は大きく重量もありますが、一番乗りやすく安心して振り回せました」と三菱車でラリー参戦した喜びが溢れます。「クルマと一体になって走れる感覚があり、荒れた路面で飛んだり跳ねたりしても、クルマが変な方向へ飛んでいくことなく安定して走ってくれます。優れた4WDシステムを持つ、三菱自動車の強みだと思います」と話すように、三菱自動車ならではの繊細なクルマ造りを過酷なラリーであらためて実感したそうです。
「台風の影響で間に合わなかったパーツの交換や、気になった部分の調整と合わせ、自分もコーナリングスピードを上げる鍛錬をして、来年はXCRスプリントカップ北海道にフル参戦すること、そしてAXCRにもチャレンジしたいです!」と、また“眠れなくなるほどの大きな夢”を見ていました。

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「三菱自動車がラリーに戻ってきてくれたことを、多くの人が喜んでくれていたことを強く感じました。
それだけファンがいるメーカーだということもまた、三菱自動車の強みですね」と語ります。そんな竹岡さんも三菱自動車ファンの一人です。

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ラリー北海道前日に行われた小学校訪問 ラリー特別授業の一コマ
ピンク色の『トライトン』は大人気!

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竹岡圭

イベントでのトークショーや各種セーフティドライビングインストラクターなど、カーライフのサポーターとして幅広く活動するモータージャーナリスト兼タレント。多くのテレビやラジオへの出演、Webや雑誌などへの執筆活動のほか、自らのYouTubeチャネル「圭Tube」にて、様々なクルマに関する情報を発信している。