三菱自動車工業株式会社(本社:東京都港区、代表執行役社長兼最高経営責任者:加藤隆雄、以下、三菱自動車)は、株式会社三菱UFJ銀行(本店:東京都千代田区、以下、三菱UFJ銀行)との間で、同社が提供する「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(資金使途を限定しない事業会社向け投融資タイプ)」の融資契約を締結しました。
「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」とは、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)*1が策定したポジティブ・インパクト金融原則*2及び同実施ガイドラインに基づき、企業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブな影響とネガティブな影響)を包括的に分析・評価し、当該活動の継続的な支援を目的とした融資です。
三菱自動車は、2018年に、環境・社会・ガバナンス各分野の様々な課題から当社が取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しました。その後、2020年には、環境問題の深刻化や新型コロナウイルス感染症拡大による社会情勢の変化を踏まえ、マテリアリティを見直すとともに、30年先の社会を見据えた環境への取り組みの方向性を定めた「環境計画パッケージ」を公表し、これらに基づき全社で取り組みを進めています。今後も、クルマを生産・販売する企業の責任として、環境負荷低減活動に具体的な目標を掲げて推進するとともに、軽乗用EV・軽商用EV・プラグインハイブリッドEV(PHEV)を軸とした環境技術を強化し、実効性のある商品や技術の普及によって、活力ある持続可能な社会の実現に貢献していきます。
本契約の締結にあたり、SDGs(持続可能な開発目標)の目標達成に対しインパクトを与える活動として、三菱自動車のマテリアリティ(重要課題)ほかから後述のテーマを選定しました。定性的、定量的な評価は三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が実施し、株式会社日本格付研究所*3から評価にかかる手続きのポジティブ・インパクト金融原則への準拠性、活用した評価指標の合理性について第三者意見を取得しています。
なお、本契約は三菱UFJ銀行初となる「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」によるシンジケート方式タームローン契約であり、「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」としては最大規模*4の案件となります。
三菱自動車が締結した「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約の概要
契約締結日
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2022年3月31日
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アレンジャー
コ・アレンジャー
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三菱UFJ銀行
みずほ銀行、三井住友銀行
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組成金額
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1,215億円
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資金使途
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事業資金
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貸出人
(五十音順)
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静岡銀行、中国銀行、八十二銀行、
バンコック・バンク・パブリック・カンパニー・リミテッド、
百十四銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行
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SDGs達成にインパクトを与えると評価された三菱自動車の主な活動
テーマ
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内容
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KPI(指標と目標)
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SDGs
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電動車*5による
脱炭素社会への
貢献
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環境への
負荷低減
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クルマの
安全・安心への
追求 |
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手段をお客様へ提供する
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アセアン地域
経済・社会へ
貢献
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ダイバーシティ
の推進 |
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これらの取り組みおよび成果は、三菱自動車ウェブサイトやサステナビリティレポートなどによって開示する予定です。
三菱自動車は今後も引き続き、SDGsの達成と持続可能な社会の実現に貢献していきます。
*1:国連環境計画(UNEP)は、1972年に「人間環境宣言」および「環境国際行動計画」の実行機関として設立された国連の補助機関です。国連環境計画・金融イニチアティブ(UNEP FI)は、UNEPと200以上の世界の金融機関による広範で緊密なパートナーシップであり、1992年の設立以来、金融機関、政策・規制当局と協調し、経済的発展とESG(環境・社会・ガバナンス)への配慮を統合した金融システムへの転換を進めています。
*2:UNEP FIが2017年1月に策定した、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた金融の枠組です。企業がSDGsの達成への貢献をKPIで開示し、銀行はそのプラス影響を評価して資金提供を行うことにより、資金提供先企業によるプラスの影響の増大、マイナスの影響の低減の努力を導くものです。融資を実行する銀行は、責任ある金融機関として、指標をモニタリングすることによって、インパクトが継続していることを確認します。
*3:株式会社日本格付研究所について、詳しくはウェブサイト(https://www.jcr.co.jp/)をご参照ください。
*4:株式会社三菱UFJ銀行調べ(2022年3月末現在)
*5:電気自動車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド自動車
*6:V2H(Vehicle to Home)やV2G(Vehicle to Grid)などの総称