S-AWC

ブランド・メッセージを体現する、三菱自動車のテクノロジー

誰もが安心して気持ち良くドライブできる、三菱自動車独自の「S-AWC」

三菱自動車は戦前の四輪駆動試作車や戦後の『三菱ジープ』など前身企業で培った4WD技術を活かし、ピックアップトラックやクロスカントリーSUV、そして乗用車へと、時代が求めるカテゴリーのクルマに、それぞれの用途に最適な4WDシステムを搭載し、“誰もが安心して、どこへでも快適に運転できるクルマ”としてお客様に提供してきました。このようなクルマを実現するために、様々な天候や路面を想定した厳しい社内試験はもちろん、ダカールラリーや世界ラリー選手権といった過酷なモータースポーツでさらに磨き上げてきました。

そして、様々な4WDシステムの中でも、三菱自動車の理想を最も具現化したのが、「S-AWC」(スーパーオールホイールコントロール)です。「走る・曲がる・止まる」といった車両運動を、ドライバーにとって違和感がないよう、継ぎ目なく連続的に統合制御することで、クルマの操縦性と安定性を飛躍的に向上させるシステムです。オフロードや雪道といった滑りやすい路面状況で優れた走行性能を発揮するだけでなく、日常の運転においても全てのドライバーが安心して気持ちよく運転できるようにサポートします。三菱自動車はこれからも「S-AWC」をはじめとした4WDシステムの進化に取り組み続け、“誰もが安心して、どこへでも快適に運転できるクルマ”を追求していきます。

ツインモーター4WDの「S-AWC」

前後に独立したモーターを搭載する「ツインモーター4WD」により前後の駆動力配分を行い、ブレーキ制御によるアクティブヨーコントロール「AYC」で左右輪の駆動力を制御します。

前後にモーターを搭載したことで、前後の車軸を繋ぐプロペラシャフトや、これまでの四輪駆動システムで前後輪の駆動力配分を行っていたセンターデフ、トランスミッションなどの機械的な結合がないことが特長の一つです。これにより、モーターの特性である優れたレスポンスを活かして、瞬時に前後のトルク配分を自由自在に変えることが可能となり、システムの軽量化、エネルギーロスの低減にも寄与しています。

『アウトランダー』PHEVモデルでは、前後に搭載したモーターの最高出力を前85kW/後100kWに高めることで、前後輪それぞれの駆動力をアップ。これにより、前輪と後輪へ振り分ける駆動力配分をさらに自在に変えることが可能になり、様々な天候や路面に対応する走行性能が大幅に向上しました。また、これまでは前輪だけで行っていた「AYC」のブレーキ制御を後輪でも行うことで四輪に分散制御。これにより、タイヤ一輪あたりの制動力を小さくできるため、滑りやすい路面でより「AYC」の効果をより発揮させることが可能になりました。

システム構成図

ツインモーターでこそ実現できた理想前後駆動力配分

三菱自動車は『ランサーエボリューションX』の開発過程で、理想的な前後駆動力配分を追求し、導き出しました。これまでは前後輪の駆動力配分を物理的なデフに頼っていたため、前後車軸の回転数が拘束され、この理想的な前後駆動力配分はあくまで理論的な数値に留まっていました。ツインモーター4WDとすることで前後車輪の機械的な拘束から解放され、三菱自動車が理想とする駆動配分を実現しています。

さらに、駆動トルクと回生トルクを最適化する機能や、急ブレーキをかけたときにタイヤのロックを防止し、ハンドル操作による障害物の回避を容易にするアンチロックブレーキシステム「ABS」、クルマを安定方向へ導くアクティブスタビリティコントロールシステム「ASC」の制御についても専用チューニングを実施。車両の走行安定性を高め、意のままのコントロールを可能とし、様々な路面状況において安心で快適な運転を支えます。

他社の前後独立駆動配分システムとの大きな差

前後の駆動を独立制御するシステムは他社にも存在し、いずれも自由自在な前後輪間のトルク配分を可能としています。ただし、自由自在のトルク配分が可能だからこそ、“誰もが安心して、どこへでも快適に運転できるクルマ”とするために、前後輪間トルクをどう配分するかの目標値設定が最も重要です。「S-AWC」は、三菱自動車だからこそ導き出すことのできた理想前後駆動力配分を、ツインモーター4WDの採用により可能としています。

ドライブモード

路面状況や走行状況、ドライバーの好みに合わせて選べるドライブモードを設定。

[NORMAL(ノーマル)]通常使用するモード

様々な路面環境や走りに幅広く対応する走行性能と燃費性能を、バランスよく発揮します。

[TARMAC(ターマック)]乾燥路で使用するモード

山道などのワインディングでキビキビと走れるよう、最高出力やアクセルレスポンスを高めるとともに、優れた旋回性を発揮します。

[GRAVEL(グラベル)]未舗装路面や濡れた路面で使用するモード

砂利道等の未舗装路で力強いトラクション性能と高い安定性を発揮し、悪条件でもドライバーの意図に忠実な走りが可能です。

[SNOW(スノー)]滑りやすい路面に適したモード

雪道などの滑りやすい路面に適した制御を行い、スリップが少なく安心感の高い走りを実現します。

[MUD(マッド)]泥濘や深雪で使用するモード

ぬかるんだ路面や深雪などの悪路で、車速に応じてタイヤのスリップ率を最適化することで高い走破性を実現。スタック時に優れた脱出性を発揮します。

[ECO(エコ)]環境に優しく経済性の高いモード

エンジン、4WDなどを効率の良い設定とし、省燃費走行をサポート。アクセルペダルのレスポンスを穏やかにし、ECOで経済的な走りができます。

(『アウトランダー』PHEVモデルのドライブモード)

[POWER(パワー)]加速性能を最大限に発揮するモード

最も優れたアクセルレスポンスと加速性能を発揮。高速道路の追い越しや合流などの直進加速で使用します。