Dakar Rally
- ダカール・ラリー 1984

Dakar Rally
ダカール・ラリー 1984

プロトタイプ勢に分け入る総合3位で市販車改造クラス優勝

1984年のコースは総走行距離9,980km、うち競技区間(SS)は5,754km。前年と似た内容で、再びニジェールのディルクーからアガデスへのテネレ砂漠横断を敢行。さらにブルキナファソ、コートジボワール、シエラレオネ、ギニアへと南回りでセネガルのダカールを目指した。なお、パリのコンコルド広場をスタートし、セネガルのラックローズにゴールするまで休息日なしという設定が踏襲されている。参加台数は総勢400台を超える活況ぶり。三菱自動車チームとともに注目を集めたのはポルシェワークスで、最低地上高を高めた4WDの911プロトタイプは、200km/hを超える最高速を誇った。
三菱自動車チームは、市販車改造クラスへのステップアップとクラス優勝、さらに総合での上位入賞を目標に掲げて2年目のダカールラリーに挑んだ。ベース車をキャンバストップからメタルトップに変更し、エンジンは北米向けスタリオン用の2.6Lの4G54型ガソリンターボエンジンに換装された。エンジンは乗用車技術センター(愛知県岡崎市)のエンジン研究部門がチューニング。過給化のおかげで110PSから170PSまで出力アップし、トランスミッション、クラッチ、リヤディファレンシャルなど駆動系を強化した。ボディはボンネット、ドア、テールゲートを軽量なカーボンケブラー製に置換し、フロント以外のウインドウはプラスチックに。ロールケージは当時許可されていたアルミ製とするなど、随所で軽量化に腐心した跡がうかがえる。前回大会でクラックが入った部位など要所に補強を施した。サスペンションは1輪当たり2本ずつのダブルショックを装着するなど、前回の反省点を全面的に盛り込んだ格好である。
第6回大会は、ニジェールからブルキナファソのSSが国境通過手続きのトラブルからキャンセルされたほかは予定通り行われ、3台のポルシェ勢が21ヶ所のSSのうち13ヶ所を制し、その速さをアピール。ルネ・メッジ(フランス)が総合優勝を果たした。パジェロを駆るコーワンは市販車改造クラスながら、ポルシェのほか、レンジローバー、メルセデスベンツ、ラーダなどのプロトタイプ勢に分け入る総合3位でクラス優勝。ユベール・リガル(フランス)は総合7位でクラス2位となり、再びクラス1-2フィニッシュを達成した。2.3Lディーゼルターボエンジン搭載のパジェロで市販車無改造クラスに挑戦したプライベート女性チームのニコル・メトロ(フランス)は同クラスとマラソンクラス、そして女性クラスで優勝して三冠を達成した。完走率が約35%となる過酷なコース設定の大会で、パジェロは走破性と耐久性を実証した。

リザルト

Ranking Driver name Manufacturer Time
1 R. メッジ ポルシェ911 16:58'55"
2 P. ザニロリ レンジローバー +02:18'21"
3 A. コーワン 三菱パジェロ +03:28'09"'
4 コルスール オペル・マンタ +04:50'46"
5 マロー プロト +05:32'49"
6 J. イクス ポルシェ911 +05:57'10"'
7 H. リガル 三菱パジェロ +08:03'06"
8 M. ラカズ シトロエン・ビザ +10:24'01"
9 プランソン メルセデス280GE +11:27'37"'
10 P. フォジュルース トヨタ・ランドクルーザー +13:18'07"
Ranking Driver name Manufacturer Time
1 R. メッジ ポルシェ911 16:58'55"
2 P. ザニロリ レンジローバー +02:18'21"
3 A. コーワン 三菱パジェロ +03:28'09"'
4 コルスール オペル・マンタ +04:50'46"
5 マロー プロト +05:32'49"
6 J. イクス ポルシェ911 +05:57'10"'
7 H. リガル 三菱パジェロ +08:03'06"
8 M. ラカズ シトロエン・ビザ +10:24'01"
9 プランソン メルセデス280GE +11:27'37"'
10 P. フォジュルース トヨタ・ランドクルーザー +13:18'07"

スペック

1984 Pajero

全長 3,930 mm
全幅 1,680 mm
エンジン 4G54 ECI ターボ
エンジン排気量 2,555 cc
最高出力 170 ps
最大トルク 30 kg-m
燃料タンク 320 L