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AXCR2025、チーム三菱ラリーアートが2度目の総合優勝を達成

2025年8月8日(金)〜16日(土)にかけて、タイを舞台として開催されたアジアクロスカントリーラリー(AXCR)において、三菱自動車が技術支援するチーム三菱ラリーアートのチャヤポン・ヨーター選手/ピーラポン・ソムバットウォン選手が総合優勝を果たしました。また、3台のピックアップトラック『トライトン』で出場したチーム三菱ラリーアートは全車が完走し、うち上位2台の合計タイムで争われるチーム賞も受賞しました。

当初、タイのパタヤをスタートし、カンボジアの首都プノンペンでゴールを迎える予定とされていた2025年のコースは、政情不安によりタイ国内のみでの開催に変更。さらに、安全のために国境付近を走行する競技区間(セレクティブセクション:SS)をキャンセルしたことで、8LEGのうちLEG4/LEG6は移動日/休息日となる異例のスケジュールで行われました。

ラリーは8日(金)の夜にパタヤの繁華街であるウォーキングストリートでセレモニアルスタートを実施。喧騒と熱気が渦巻くなか、各車両がクラクションを鳴らしながらゲートをくぐり、盛り上がりは最高潮に。3台の『トライトン』も、多くの観客から声援を浴びながら、8日間にわたるラリーへと出発しました。

競技の初日となる9日(土)のLEG1は、パタヤから内陸のプラーチーンブリーへと向かうルート。エースであるヨーター選手は2番手タイムをマーク、田口勝彦選手/保井隆宏選手は6番手と、順調なスタートを切りました。一方、ヨーター選手と田口選手をサポートする役割を担う小出一登選手/千葉栄二選手は、前走者が巻き上げる埃で視界の悪い中、急減速した前車に追突。エンジンへのダメージを考慮し、この日の競技続行を諦めることとなりました。

プラーチーンブリーからカオヤイへと北上するLEG2。ヨーター選手はここでも2番手タイムを刻み、総合首位を行くライバルにプレッシャーをかけ続けます。田口選手はSS4番手と好走し、総合順位も5番手に浮上。メカニックたちの懸命な整備を受けて復活した車両を駆る小出選手はSS19番手タイムと堅調なペースで、総合順位を40番手から34番手まで押し上げることに成功しました。

カオヤイを出発して再びカオヤイに戻るLEG3では、ライバル選手の後退もあり、SS3番手タイムで走り切ったヨーター選手が総合首位に。一方、ここまで手堅い走りを見せていた田口選手は、サスペンショントラブルが発生してコース中にストップ。クルー自ら修理を施し、後続の小出選手からのサポートも受けて中間サービスにたどり着きました。応急処置を受けた田口選手ですが、ペースを上げることは叶わず総合10番手に後退、後半戦での巻き返しを狙います。サポートにまわった小出選手は、それでもSS16番手タイムを記録し、総合順位を30番手として、この日を終えました。

LEG4はカオヤイからプラーチーンブリーへの移動日にあてられ、各チームともこの日を利用してラリーカーに整備を施します。チーム三菱ラリーアートも、半日をかけてじっくりと『トライトン』の足まわりや駆動系、エンジンの整備を行いました。LEG1と同じコースを再走するLEG5、後半セクションでスタックしていた前走者を避けようとしたヨーター選手は、自らもぬかるみにスタックしてしまうアクシデントに見舞われます。脱出まで20分ほどの時間を要したものの、『トライトン』に大きなダメージはなく、総合首位を維持したままこの日のセクションをフィニッシュ。この日のスタート順が25番手となった田口選手は、怒濤の追い上げを見せてSSトップタイムをマーク、先行する18台を追い抜いて、総合順位を6番手に戻しました。小出選手は前半セクションでリヤブレーキにトラブルを抱え、苦しいなかSS28番手タイムで完走、総合順位を27番手としています。

LEG6の休息日を挟んで、ラリーは終盤戦へ。プラーチーンブリーからパタヤに向かうルートが設定されたLEG7は、大会終盤の山場です。最終日LEG8はSSの距離が短いため、この日の結果が、勝敗の行方に大きな影響を与える可能性もあります。ヨーター選手はリスクを避けつつも、好ペースで走行。SS2番手タイムをマークして、総合2番手の選手に10分12秒の差をつけて、最終日へと臨みます。田口選手は前半セクションでリヤサスペンションにダメージを負ってしまったため、本来のペースを発揮することができずにSS6番手・総合5番手でこの日をフィニッシュしました。小出選手は終盤に他の競技車両との接触があったものの、SS15番手タイムを刻み、総合23番手に浮上しています。

LEG8はパタヤから再びパタヤへと戻る、SS距離69.55kmの競技最終日です。ところが、SSスタート地点に向かう途中でヨーター選手の『トライトン』に突如トラブルが発生。後続の小出選手たちもサポートに加わり修復作業を行い、懸命な修理の甲斐あってSSのスタート時刻に間に合わせました。ヨーター選手に精神的な動揺はなく、それまでに築いたリードを維持して、最終SSを7番手タイムでゴール。7分51秒差で総合首位の座を守り、2022年以来となる2度目の総合優勝を達成しました。田口選手はSS5番手/総合5位、小出選手はSS22番手/総合22位でそれぞれ完走を果たしました。パタヤのバリハイ桟橋で行われたセレモニーでは、3台のクルーが歓喜のフィニッシュ。選手とチームのメンバーは互いに健闘を讃え合い、新型『トライトン』で初めてのAXCR制覇を成し遂げました。

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