2015
- バハ・ポルタレグレ500

2015年
バハ・ポルタレグレ500

2015年 バハ・ポルタレグレ500

三菱自動車はポルトガル東部ポルタレグレ県で開催されたバハ・ポルタレグレ500に参戦した。ラリー参戦車はアウトランダーPHEVで、過去3回のアジアクロスカントリーラリー、そしてオーストラリア大陸のオーストラレーシアン・サファリといったラリーレイドを完走した実績と経験が反映されている。このラリーは、ポルトガル自動車連盟が主催するクロスカントリーラリーで、スペインとの国境に近いアレンテージョ地方の古都ポルタレグレを基点に、田園・丘陵地帯の比較的フラットなダートを中心とした約500kmのハイスピードコースを走行するもの。国際自動車連盟が主催するクロスカントリーラリー・ワールドカップにも第9戦として組み込まれ、世界一過酷なダカールラリーに参戦予定の強豪が毎年集うことでも知られている。
三菱自動車は2002~2003年のダカールラリーで2連覇を飾った増岡浩を監督兼ドライバーとして起用。三菱自動車の開発本部から派遣したエンジニアを中心としたチーム体制で臨む。アウトランダーPHEVは市販車をベースとし、三菱自動車が積み重ねてきた電動車のノウハウを注ぎ込み、PHEVシステムの主要部品は量産品を使いながらも制御を変更することで前後モーターの高出力化、エンジンの高回転化を図った。また、ジェネレーターの発電量アップ、駆動用バッテリーの容量も増加させた。ツインモーター4WD/S-AWCは、制御の変更によりトラクション性能を強化した。車両は最低地上高とサスペンションストロークをアップし、ラリー専用の大径タイヤの装着などにより悪路走破性を向上させた。

初日は同ラリーの伝統的な名物ステージから始まった。全体的にはドライながら一部湿り気を帯びたグラベルコースで行われたスペシャルステージ1で、アウトランダーPHEVはナショナルクラス2位と好調なスタートを切った。続くスペシャルステージ2でもノートラブルでナショナルクラス3位のタイムを記録し、初日をナショナルクラス3位で終えた。2日目のスペシャルステージ3ではスタートから58km地点で発電系統のヒューズトラブルに見舞われステージ続行を断念したものの、交換後のスペシャルステージ4では降り続く雨のなか、ナショナルクラス2位と上位タイムを記録した。総合成績では2日目のトラブルが祟って下位で完走するにとどまったが、アウトランダーPHEVの高い走行性能はヨーロッパでも実証された。
アウトランダーPHEVで、3時間を超える200km 以上のロングコースをスプリントのペースで走るのは今回のバハ・ポルタレグレ500が初めてであったが、想像以上のパフォーマンスを発揮。大排気量のエンジン車、それもラリー専用車に匹敵するスピードで走ることができ、アウトランダーPHEVのポテンシャルの高さを実感することができた。

スペック

アウトランダーPHEVラリー車(2015仕様)

全長 4695 mm
全幅 2000 mm
全高 1810 mm
モーター 形式 S61(前)/ Y61(後)
定格出力 25kW×2
最大出力 出力アップ×2
最大トルク 出力アップ(前後)
駆動用バッテリー 種類 リチウムイオン
総電圧 電圧アップ
総電力量(kWh) 電力量アップ
サスペンション フロント マクファーソンストラット式(ストロークアップ)
リヤ ダブルウィッシュボーン式
タイヤ 235/85R16 (FIA規定最大径)