2013
- アジアクロスカントリーラリー

2013年
アジアクロスカントリーラリー

2013年 アジアクロスカントリーラリー

国際自動車連盟公認のクロスカントリーラリーであるアジアクロスカントリーラリーに、石田憲治率いるツーアンドフォーモータースポーツがアウトランダーPHEVで参戦した。アジア最大規模の本ラリーは、タイを中心に毎年ルートが変更されている。2013年大会は、タイのビーチリゾートであるパタヤをスタートし、6日間で約2,000kmを走破し、ラオス南部の都市パクセにフィニッシュする。山岳路、密林地帯、泥濘路、川渡りなど変化に富み、耐久性と走破性が問われる過酷なコースで競われた。 三菱自動車はツーアンドフォーモータースポーツに対して技術支援を実施。アウトランダーPHEVのラリー参戦車は基本的に市販車同様の仕様とし、競技用にショックアブソーバーとスプリングを変更し、ロールケージやアンダーガードなどを追加。川渡りの際に必要な水回りの対策として各部のシーリングを強化し、シュノーケル(吸気用ダクト)を装着するなどの改造を施した。四輪部門は20台が参戦したが、プラグインハイブリッドでの出場はアウトランダーPHEVのみ。EV走行モードで走り出しが静かなアウトランダーPHEVは、セレモニアルスタートでパタヤに集まった観衆の新鮮な驚きを誘った。
ラリーは例年より激しい降雨によってコースコンディションが悪化し、初日から深い轍と泥濘路でスタックするクルマが続出した。二日目はコース上にある川の氾濫にともなう工事により午前がキャンセル。三日目のスペシャルステージではスタート地点から約10km のところで橋が崩れて走行不能な状況となり、最終日のスペシャルステージも路面悪化によりキャンセルされるなど波乱含みの展開となった。そんな状況下でもバッテリーを床下中央に搭載するなど低重心化と前後重量配分の最適化により、アウトランダーPHEVは優れたハンドリング性能を発揮。二日目の序盤、フラットダートでは低速から最大トルクを発揮できアクセルレスポンスも早いというPHEVの特性を武器に10位でフィニッシュ。四日目のステージ最大の難関である川渡りから30 度弱の傾斜を駆け上がるセクションも無難にこなすなど、SUVとしてのポテンシャルの高さを披露した。
ラリー全日程ではアウトランダーPHEVは4度のタイムアウトを経験しつつも、総合17位での無事完走を果たした。コースは深い轍や大きな穴のある劣悪な泥濘路が多く、ピックアップやクロスカントリー4WD のような高い車高を持たない乗用車タイプのクロスオーバーSUV であるアウトランダーPHEVにとっては非常に厳しい戦いであったが、PHEV システムとツインモーター4WD/S-AWC には一切トラブルなし。パワートレインやドライブトレインに過度の負荷がかかるクロスカントリーラリーにおいて数々の困難を乗り切って完走を果たし、PHEV システムの信頼性とツインモーター4WD/S-AWC の優秀性を実証した。

スペック

三菱アウトランダーPHEV

全長 4,655 mm
全幅 1,800 mm
全高 1,680 mm
モーター 形式 S61(前)/ Y61(後)
定格出力 25kW×2
最大出力 60kW×2
最大トルク 137N・m(前)/ 195N・m(後)
駆動用バッテリー 種類 リチウムイオン
総電圧 300V
総電力量(kWh) 12