2014
- オーストラレーシアン・サファリ

2014年
オーストラレーシアン・サファリ

2014年 オーストラレーシアン・サファリ

2014年、ミツビシ・ラリーアート・オーストラリアは、三菱自動車の技術支援のもと、アウトランダーPHEVでオーストラレーシアン・サファリに出場した。同ラリーは西オーストラリアの州都パースでのセレモニースタートによって開幕し、カルバリにゴールする総距離3,529kmの過酷なコース設定だ。アウトランダーPHEVの競技車は、ロールケージの装着や燃料タンクの変更など安全規定に沿った改造と、ラリー専用のサスペンション、タイヤ、ブレーキパッド、アンダーガード装着など必要最低限の改造が施された。PHEVシステム、ツインモーター4WD/S-AWCのハード面は市販車と同じ仕様であるが、制御のみラリー向けに変更している。同ラリーの参加車両は26台。唯一のプラグインハイブリッドであるアウトランダーPHEVは、市販車ハイブリッドクラスとしてエントリーした。
初日のプロローグランを15位で終えて好感触をつかんだアウトランダーPHEVは、翌日から始まる本格的なステージにおいて、フラットな路面では回生を利用して電気を蓄え、走破性が問われる悪路ではモーターアシストによる力強い走行で高いパフォーマンスを発揮した。ハイスピードなセクション、激しい凹凸が続くラフロード、砂漠のような砂地などの様々なコースで、初日を総合17位、二日目を総合16位、三日目では3度のパンクに見舞われながらもロスを最小限にとどめて総合13位にポジションアップした。四日目では後半のスペシャルステージを走行中、大きな突起を乗り越える際にステアリングギヤボックスを破損して走行を断念。翌日の五日目も走行できず、16時間50分のペナルティタイムが加算されて総合17位までの後退を余儀なくされた。加えて六日目では前走車を追い越す際に左側の前後サスペンションを破損して走行を中断し、16時間42分のペナルティが加算され総合20位にまで順位を落としたが、最終日では速さを発揮し、総合19位に順位を上げてフィニッシュし、市販車ハイブリッドクラス優勝を遂げた。
オーストラレーシアン・サファリでは、アジアクロスカントリーラリーでは経験しなかった岩場や深い砂地などがあり、想像していた以上に過酷な道路環境であったが、PHEVシステムには全くトラブルなし。オーストラリアの大自然においてもアウトランダーPHEVの信頼性と基本性能の高さを示すことができたといえよう。

スペック

三菱アウトランダーPHEV

全長 4,655 mm
全幅 1,800 mm
全高 1,680 mm
モーター 形式 S61(前)/ Y61(後)
定格出力 25kW×2
最大出力 60kW×2
最大トルク 137N・m(前)/ 195N・m(後)
駆動用バッテリー 種類 リチウムイオン
総電圧 300V
総電力量 12kWh