
ツーアンドフォー モータースポーツによるアウトランダーPHEVでのアジアクロスカントリーラリーへの挑戦も3回目を迎えた。同ラリーはダカールラリー同様、毎年ラリーの道程が変更される。開催20周年を迎えた2015年大会は、タイの古都チェンマイの遺跡からスタート、ミャンマー国境に近いメーホンソンから標高の高い北部山岳地帯をループし、またチェンマイに戻ってくる約2,400㎞のラリーである。ドライバーは青木孝次が3年連続で担当、コ・ドライバーは前年に続き、ウッテイタイ・トリタラ(タイ)が務めた。四輪部門は28台が出場し、アウトランダーPHEVは電気自動車クラスでの参戦だ。
今大会は過去2回と違い、険しいアップダウンとマッディな路面がエントラントを悩ませた。参戦にあたり、三菱自動車はビッグマイナーチェンジを果たしたばかりの新型アウトランダーPHEVを投入。PHEVシステムの主要パーツは量産品を使用しつつ制御を競技に合わせて変更。さらにモーターの高出力化、ジェネレーターの発電量アップなど高性能化を図り、駆動用バッテリーも容量アップさせた。また、ランサーエボリューションで培ってきた車両運動統合制御システムS-AWCのノウハウを活用したツインモーター4WDも、制御の変更によりトラクション性能を強化。さらに、地上高及びサスペンションストロークの増大、ラリー専用の大径タイヤの装着などにより、悪路走破性を向上させている。

ラリー初日、同ラリーの難所である深い川を難なく渡りきったアウトランダーPHEVは総合17位とまずまずの出足であったが、二日目のスペシャルステージ途中でコースアウトし、フロントガラスを損傷して後半コースを回避、総合25位にまで後退してしまう。しかし、その後は起伏の少ない乾いた路面であり、モーターによる素早く力強い加速や、S-AWCの効果を発揮して総合22位まで順位を回復。続く四日目、5日目もひとつずつ順位を上げ、最終日はスタート地点である古都チェンマイに戻る比較的フラットなコースを3番手の好タイムで走りきり総合20位でフィニッシュ。3年連続で完走し、電気自動車クラスで優勝を果たした。
アウトランダーPHEVは、2013年の初参戦から3年連続で完走し、過酷な道路状況にも十分なパフォーマンスを発揮するとともに、信頼性・耐久性および走破性の高さを実証した。