MITSUBISHI MOTORS

RALLI ART

Report
2007年FIAクロスカントリーラリー・ワールドカップ第3戦
ポー・ラス・パンパスラリー

9月5日(水) 最終・第9レグ
バリローチェ(アルゼンチン)〜イキケ(チリ) 総走行距離 4067km(第1〜9レグ)
SS1〜10 SS総走行距離 2315km(第1〜9レグ)


2007年CCR第3戦「ポー・ラス・パンパスラリー」
「チーム・レプソル三菱ラリーアート」
『三菱パジェロエボリューション』を駆るリュック・アルファンが総合優勝
三菱パジェロエボリューション
L・アルファン / G・ピカール





















三菱パジェロエボリューション
L・アルファン / G・ピカール
 2007年FIAクロスカントリーラリー・ワールドカップ第3戦ポー・ラス・パンパスラリーが8月27日(月)〜9月5日(水)にかけて、アルゼンチン南部のサン・カルロス・デ・バリローチェ〜チリ北部のイキケ間を舞台に、全行程4067km、うちSS(競技区間)2315kmにわたって行われ、「チーム・レプソル三菱ラリーアート」から『三菱パジェロエボリューション(MPR13)』を駆って出場したリュック・アルファン(フランス)が総合優勝した。アルファンは去年、このラリーに初出場して優勝を決め今回の勝利で大会2連覇を達成。次回のダカールラリー参戦に向けた開発プログラムの一環でもあるワールドカップでの実戦テストは、絶好な滑り出しとなった。

 開催時期が去年の3月から8月に改められたことで、南半球の南米大陸を舞台に戦われるポー・ラス・パンパスラリーは真冬の開催となった。スタート地点はアルゼンチン、パタゴニア北部のサン・カルロス・デ・バリローチェ。通常はバリローチェと呼ばれるこの町は標高770mのナウエル・ウアピ湖畔に位置し、その美しさから「南米のスイス」とも例えられる。ラリーはバリローチェをスタートして、チリへと移動。森林地帯の中を走る狭くてツイスティなステージ、太平洋岸のグラベルステージを駆け抜け、世界でもっとも乾燥したアタカマ砂漠を走行。最終的にはチリ北部のイキケにゴールするというダイナミックなルートが設定された。

 三菱自動車と、モータースポーツ統括会社であるフランスのMMSPは、このポー・ラス・パンパスラリーに2006年ダカールラリーの勝者であるリュック・アルファンと、そのコ・ドライバーであるジル・ピカール(フランス)をエントリーさせた。マシンは4L V6ガソリンエンジンを搭載するパジェロエボリューション(MPR13)。今年のダカールラリーを制したこのマシンは、その後6月に実施されたモロッコでの開発テストを経てさらなる性能向上がはかられている。

 ラリーは8月27日(月)にバリローチェでセレモニースタートを行い、翌日28日(火)より競技がスタート。そのオープニングステージは雪景色の中で全長182kmのSSが行われ、アルファンが2位に12分01秒差をつけるベストタイムを刻んで幸先の良いスタートをきった。アルファンは翌29日(水)のSS2(439km)でもトップタイムをマークして2位に対するリードを52分26秒に拡大。30日(木)のSS3は、太平洋岸を通るステージが一部高波により危険という主催者判断で走行距離が短縮されたが、それでもアルファンはベストタイムで2位に対するリードを57分32秒に広げた。SS3まで最速タイムを刻み続けたアルファンだが、SS4では初めてライバルに遅れをとり3番手のタイムでフィニッシュ。コースコンディションを整えるために主催者がSS走行距離を93kmから54kmに短縮したことも影響したが、それでも総合タイムでは2位との差を58分34秒と僅かながら広げることに成功した。

 アルファンが勝利を確定的にしたのは9月1日(土)の第5レグSS5だった。SSの距離はわずか31kmながら、そのすべてが砂漠ステージであり難易度は非常に高い。アルファンはこのSSをスタートする直前にリエゾン(移動区間)で遅れをとり6分遅れでスタート地点に到着。ペナルティタイムを課せられて4番手でスタートした。しかしながらフィニッシュ地点を通過した時アルファンは2位に対して13分40秒のリードを築き、今大会4度目のベストタイムをマーク。第4レグまで58分34秒差で総合2位につけていたJ-L.モンテルド(スペイン、日産ナバラ)が大きく遅れたために、その差は2時間11分37秒と一気に広がった。勢いに乗ったアルファンは9月2日(日)の第6レグ(417km)と9月3日(月)の第7レグ(228km)でもベストタイムを刻みリードを拡大。モンテルドに代わって総合2位に浮上したオーランド・テラノヴァ(アルゼンチン、BMW X3)とのタイム差は4時間32分20秒となった。

 残すところあと2日、しかし9月4日(火)に行われたSS8はアルファンにいくつかの試練を課した。SS全長503kmと今大会最長のステージとなるSS8は、南北に長く伸びるアタカマ砂漠を走るルート。アルファンは順調に走行を続けていたが、90kmほど走ったところでエンジンのオイル漏れを察知したためアルファンとピカールは大事をとってペースをダウン。すでに4時間以上のリードを築いているため、多少はペースを落としても追いつかれる心配はない。しかし、150kmほど走行したところでアルファンはコース上に落ちていたふたつの石を避けきれずにヒットしてしまった。その影響でステアリングラックのシールが破損し、パワーステアリングが効かなくなってしまった。そのためアルファンは約18kmパワーアシストなしの状態で重くなったステアリングと格闘することを強いられる。アルファンにとって幸運だったのは、その後中間休息地点で三菱自動車チームのメカニックが待機していたこと。メカニックたちは瞬時にパワーステアリングの修理を終え、その後アルファンは本来のペースを取り戻してSSをフィニッシュした。数々のトラブルによって2位との総合タイム差は3時間37分に縮まったが、残すSSはあと1本48kmにしかすぎない。アルファンはチリ北部のイキケへと向かう短いSSを難なく走りきり、ポー・ラス・パンパスラリー2連覇を達成したのだった。

 優勝したアルファンは「2年連続でこの難しいラリーで優勝することができて最高の気分です。『パジェロエボリューション』は、6月に行われたモロッコでの長期テストで大きく進化しました。とくにハンドリング面に関しては格段に改良されており、操作性と安定性の両面でレベルアップを果たしています。乗り心地が良くなったのも、今回のように長距離長時間を走るラリーでは有り難いことですね。耐久性の高さも改めて証明され、次のダカールラリーに向けて得られるものが多いラリーでした」と、コメント。一方、チーム監督のドミニク・セリエスは「ダカールラリーと比べると、ポー・ラス・パンパスラリーはマシンに加わる負担がそれほど大きくはありません。しかしながら、今回のラリーに出場したことで技術的に多くのことを得ることができました。また、ドライバーにとっては大変厳しいラリーだったので、フィジカル面においては最高のトレーニングになったと思います。我々の最終目標であるダカールラリーに向けて、良い経験を積むことができました」と、今回のラリーを締めくくった。

 三菱自動車チームが次に『パジェロエボリューション』を送り込むのは、FIAクロスカントリーラリー・ワールドカップ第4戦(最終戦)のUAEデザートチャレンジ。灼熱の砂漠を舞台に戦われるこのラリーに、三菱自動車チームは3台の『パジェロエボリューション』で出場を予定している。

■第9レグ終了時・総合成績
順位
ドライバー
国籍
車両
タイム (2位以下はトップとの差)
1  L・アルファン F  三菱パジェロエボリューション 29時間03分59秒
2  O・テラノヴァ RA  BMW X3 3時間59分38秒
3  P・ノブレ BR  BMW X3 15時間21分14秒
4  A・メミ RA  三菱L200 23時間42分37秒
5  J・ラトラチ RCH  トヨタ・プラド 26時間14分26秒
6  G・ペスシエラ I  日産テラノ 87時間30分18秒
7  C・サンピエリ RCH  日産パスファインダー 101時間10分24秒
8  J-L・モンテルド E  日産ナバラ 121時間47分03秒
9  P・ヴァンドローム F  Batバギー 139時間25分01秒
10  P・ヴァルデス RCH  トヨタ・ハイラックス 183時間35分03秒
国籍:BR=ブラジル、F=フランス、 RA=アルゼンチン、RCH=チリ
1位のタイムは第1レグからのSS合計所要時間とペナルティーの合計

■SS10・成績
順位
ドライバー
国籍
車両
タイム (2位以下はトップとの差)
1  O・テラノヴァ RA  BMW X3 41分29秒
2  L・アルファン F  三菱パジェロエボリューション 4分23秒
3  P・ノブレ BR  BMW X3 6分36秒
4  J・ラトラチ RCH  トヨタ・プラド 8分32秒
5  P・ヴァンドローム F  Batバギー 14分27秒
国籍:BR=ブラジル、F=フランス、 RA=アルゼンチン、RCH=チリ

TOP
MOTOR SPORTS