2005年FIA世界ラリー選手権参戦車両『ランサーWRC05』の開発状況について
2005年のWRCシーズンの開幕に向け、三菱自動車とMMSPは、『ランサーWRC05』の開発も積極的に取り組んでおり、大幅に改良を加えた2005年のWRC参戦車「ランサーWRC05」は、2005年1月21日(金)〜1月23日(日)までフレンチ・アルプスを舞台に開催される第1戦「モンテカルロラリー」より参戦する。 世界ラリー選手権をはじめ、国際格式のモータースポーツを統括する国際自動車連盟(FIA)は、2005年シーズンに向けてWRCのレギュレーションを改訂した。三菱自動車では、これを機会に『ランサーWRC』を広範囲に渡って改良を施すこととした。WRCの新レギュレーションでは、車両全幅がこれまでの1,770mmから30mm拡大し、最大1,800mmとなるため、『ランサーWRC05』は、従来型に対しフロントおよびリアフェンダー、リアクオーターパネル、バンパーなどの形状変更を行う。外観上は、それほど大きな差異ではないが、挙動安定性の向上に大きく寄与するものと考えている。 三菱自動車は拡幅に伴う改良で、『ランサーWRC05』に長尺のサスペンション・リンクやドライブシャフトを採用すると同時に、アップライトにも改良を加え、サスペンション・ジオメトリーの最適化を図った。サスペンションも新たに設計し、既に2004年10月に開催された「ラリー・スペイン(カタルニア)」へのテスト参戦で使用したターマック(舗装路)用ダンパーは、『ランサーWRC05』のワイドボディ化を見据えてデザインしたものであった。三菱自動車では更にグラベル(未舗装路)用のサスペンションについても、アップライトとダンパーを新ジオメトリーに対応させるべく開発を進めている。 ボディについては、2005年3月に開催予定の「ラリー・メキシコ」までに軽量性を維持しながら、更に剛性を向上させる計画であり、マシン・セットアップの自由度が高まるとともにより精妙なチューニングが可能になると考えている。 『ランサーWRC05』に搭載するエンジンは、従来同様、ランサーエボリューションなど市販車で好評の4G63型2.0L DOHCインタークーラーターボエンジンをベースにしたもので、1月の「モンテカルロラリー」から新型ウェストゲートとアンチラグバルブを採用する。これらのパーツはエンジン・マネージメントの改良との相乗効果で大幅なエンジン性能の向上とチューニングの精密化に繋がる。更にターボチャージャーの性能向上についても模索しており、評価次第で、年内にもホモロゲーション申請する可能性がある。 『ランサーWRC05』のエンジンについてテクニカルディレクターのマリオ・フォルナリスは「あらゆる状況下で、エンジン性能を限界域まで追求することができるようになりました。現在は、モンテカルロラリーに向け、本当の意味で限界ギリギリを追求するファインチューンを行っています」と語った。 新たに採用するセミオートマチックのギアボックスとクラッチは、すでにテストでも充分な成果が確認され、ステアリングホイールに装着された“パドル"を介してクラッチ操作レスのギアシフトを行うこととなる。一方、アクティブセンターデフについては1月「モンテカルロラリー」での実戦投入を目指して鋭意開発を進めてきたが、さらなる性能向上を視野に3月の「ラリー・メキシコ」から投入する可能性も高い。なおフロントおよびリア用アクティブ・デフは、2006年シーズンから使用禁止となるため、2005年第1四半期の開発状況により、今後の装着要否の判断を下す計画で、トランスミッションのギア比の改良についても4月に開催予定の「ラリー・ニュージーランド」を目処に1速、3速、4速の各ギアのハイギアード化を検討している。 「6月末までにランサーWRC05の開発を完了させ、いよいよ結果を出すことに集中します。願わくば表彰台フィニッシュを達成し、2006年の本格的なタイトル挑戦に向けた足がかりとしたいですね」 とマリオ・フォルナリスは語った。 なお、『ランサーWRC05』の大きな変更点として、ピレリ製タイヤの採用も上げられる。タイヤメーカーの変更について、フォルナリスは「すでにピレリとのテストを開始しており、彼らのプロフェッショナルなアプローチと設備には嬉しい驚きを感じています。現在はタイヤの特性を学習しているところですが、『ランサーWRC05』とのマッチングを図り、そのパフォーマンスをフルに引き出そうとしています。これまでのテスト結果を見ると、ピレリ製タイヤには大きなポテンシャルがありそうです。パートナーシップ精神の下、三菱自動車はピレリタイヤの長所を活かす一方で、ピレリに対し、我々のテストデータをフィードバックすることでタイヤの進化に貢献できると思っています。タイヤメーカーと協業してタイヤの開発を行えることは、三菱自動車WRCチームにとっても非常に重要なポイントとなるでしょう」と語った。 |
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