Daily Report/デイリーレポート


三菱自動車2005年ダカールラリーに向けて
新型パジェロエボリューション(MPR11)を開発


 三菱自動車は、2005年1月1日にスペインのバルセロナをスタートする2005年パリダカ(正式名称:テレフォニカダカール2005)に向けて、新型パジェロエボリューション(MPR11)を開発した。

パジェロエボリューション(MPR11)
 新型パジェロエボリューション(MPR11)は、2004年7月と9月の2度に渡るモロッコテストの結果を踏まえて、従来のパジェロエボリューション(MPR10)をさらに進化させ、フェイスリフトした新型車である。新型パジェロエボリューション(MPR11)も従来車同様、2002年に発効したスーパープロダクションカー・レギュレーションに基づいて開発・製作されており、全幅2,000mm以下、サスペンション・トラベル250mm以下という同カテゴリー・レギュレーションに準拠している。

 三菱自動車のモータースポーツ統括会社のMMSP GmbHでは、2003年パリダカでパジェロエボリューション(MPR10)が1-2フィニッシュを飾った直後から、2004年のパリダカに向けた検討をはじめ、7月にモロッコで実施したテストの結果に基づき大幅な改良を加えた。2004年パリダカ仕様車(MPR10)の最大の変更点は、エンジン排気量の拡大である。FIAクロスカントリーワールドカップのテクニカルレギュレーションで500cc単位での排気量拡大が新たに認められたため、3.5リッターだったV6エンジンの排気量が4.0リッターに増大したのである。

 三菱自動車の岡崎にある開発拠点で開発された4.0Lの新エンジンは2003年7月に2週間に及ぶモロッコの砂漠でテストをし、同年10月に開催されたUAEデザートチャレンジ2003では、実線デビュー&ウィンを飾っている。

 このエンジンはトルクとレスポンスが大幅に向上しており、3,500rpmで発揮される最大トルクも旧型の36kg-mから43kg-mへと19パーセントも引き上げられた。またエンジン搭載位置も見直され、旧型比で100mm低く、300mm後方にレイアウトされ、低重心化と重量配分の最適化を実現している。

 MMSPは、改良型MPR10にも6速シーケンシャル・ギアボックスを採用。モロッコテストと2003年UAEデザートチャレンジでは、油圧式アンチロールバー・システムのテストが行われた。

 「2003年のモロッコテストにより、エンジン、トランスミッション、ディファレンシャル冷却システムに改良を施すことができました。さらに2004年ダカールラリーを前に、10月のUAEイベントで改良の成果を実戦で確認することもできました」と、MMSPテクニカルディレクターのティエリー・ヴィアルド。「ラジエーターの形状とサイズを変更し、パイプやエアダクトのクオリティを引き上げた他、細部に渡って改良を加えています」

 入念な改良はサスペンション・セットアップにも及び、昨年UAEで新セットアップが実戦投入されている。イタリアの名門ブレンボが供給するブレーキシステム、500リットルの燃料タンクは旧型と同一だが、FIAテクニカルレギュレーションに合わせて、最低重量は1,750kgから1,825kgへと増加された。また、インテリア・ロールケージは、特にウィンドスクリーン周りとルーフ部に補強が施されている。

 2004年のパリダカを改良型のパジェロエボリューション(MPR10)で勝ち抜いた三菱自動車のクロスカントリーラリーチームだが、2005年のパリダカに向け、着実に進化を遂げるライバルに対抗して戦闘力を維持するには、抜本的な開発と改良が必要であるとの認識に至った。そしてチームのスタッフは、数ヶ月にわたってハードワークを継続、ついに新型パジェロエボリューション(MPR11)を完成させた。

パジェロエボリューション(MPR11)
 新型パジェロエボリューション(MPR11)は、ステファン・ペテランセル/ジャン-ポール・コトレ組のドライブによりUAEデザートチャレンジ2004に参戦、デビュー戦を完走で飾り、2005年ダカールラリーに向け、期待が高まっている。チームメイトで同イベント総合優勝の増岡浩/アンドレアス・シュルツ組はMPR10をドライブ、MMSPのエンジニアは新旧両マシンを比較することができた。

 新型パジェロエボリューション(MPR11)は、最高出力は従来車(MPR10)と同レベルながら、低速域のトルクが太くなっている。またモロッコテストでは、さまざまなバリエーションのサスペンション・セットアップが試され、サスペンション自体にもさらなる進歩が見られた。重量配分が最適化され、低重心化も実現された新型パジェロエボリューションは、ハンドリング、コーナリング、ロードホールディングのすべてで従来車を上回っている。

 ペテランセルは、UAEデザートチャレンジ中に新型パジェロエボリューションについて、「外観上は大きな差はありませんが、少しドライブするだけで違いがハッキリとわかります。ハンドリングが向上して、まるで乗用車をドライブしているようです。レスポンスも改善され、トルクも大幅に太くなっています」と誇らしげに語っている。
パジェロエボリューション(2005ダカールラリー参戦車)主要諸元
車両コード MPR11
全長 4222mm
全幅 1978mm
ホイールベース 2775mm
トレッド (前/後) 1750mm/1736mm
エンジンタイプ V6 DOHC24バルブMIVEC
ドライサンプ式オイルシステム
燃料噴射装置 ECIマルチ
排気量 3.997 L
最高出力 270 PS / 5500rpm
変速機 6速-リカルド製シーケンシャルマニュアル
4WDシステム フルタイム4WD 機械式センターデフロック
フロントデフ Xトラック製 セルフロッキングデフ
リアデフ Xトラック製 セルフロッキングデフ
フロントサスペンション 独立懸架/, ダブルウィシュボーン式コイルスプリング
リヤサスペンション 独立懸架/, ダブルウィシュボーン式コイルスプリング
ショックアブソーバー 減衰力調整式ダンパー+油圧式アンチロールバーシステム
ステアリング形式 ラック&ピニオン(パワーステアリング)
ホイールストローク (前/後) 250 mm / 250mm
ブレーキ形式 ベンチレーテッドディスク (ブレンボ製6POTキャリパー&ローター)
ホイール 7x16インチマグネシウムホイール
タイヤ 235/85 - 16 (BF Goodrich製)
車両重量 1825kg
その他特徴 スチール製マルチチューブラーフレーム付
モノコックボディ+ハニカム材フロア
一部カーボンボディー
タンク容量 500 L
ピックアップトラック『L200』(2005年パリダカ参戦仕様車)主要諸元
 
全長 4220mm
全幅 1978mm
ホイールベース 2700mm
トレッド (前/後) 1750mm/1736mm
エンジン V6 DOHC24バルブ MIVEC
ウェットサンプ式オイルシステム
燃料供給装置 ECIマルチ
排気量 3.997 L
最高出力 270 PS /5500rpm
主変速機形式 Xトラック製6速マニュアルミッション
駆動方式 フルタイム4WD 機械式センターデフロック
フロントデフ セルフロッキングデフ
リアデフ Xトラック製セルフロッキングデフ
フロントサスペンション 独立懸架/, ダブルウィシュボーン式コイルスプリング
リアサスペンション 独立懸架/, ダブルウィシュボーン式コイルスプリング
ショックアブソバー 減衰力調整式ダンパー
ステアリング形式 ラック&ピニオン(パワーステアリング)
ホイールストローク (前/後) 250mm/250mm
ブレーキ形式 ベンチレーテッドディスク (ブレンボ製6POTキャリパー&ローター)
ホイールサイズ 7x16インチマグネシウムホイール
タイヤサイズ 235/85 - 16 (BF Goodrich製)
車両重量 1825kg
その他特長 スチール製マルチチューブラーフレーム
タンク容量 480 L