三菱ランサーWRC04は出場の全3台が完走
ソラ総合6位、ガリ総合7位、パニッツィは総合12位でゴール
グループNは三菱ランサーエボリューションが優勝
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三菱ランサーWRC04
D・ソラ / X・アミゴ
(写真: '04.10.31 第3レグ)
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2004年FIA世界ラリー選手権(WRC)第15戦ラリー・カタルニア/ラリー・スペイン(以下ラリー・スペイン)は10月31日(日)最終の第3レグを行い、「チーム三菱自動車モータースポーツ」から三菱ランサーWRC04で出場のダニエル・ソラ(スペイン)が総合6位、ラリーアート・イタリアのサポートを受けて出場のジャンルイジ・ガリ(イタリア)が総合7位、ジル・パニッツィ(フランス)が総合12位だった。総合優勝はマルコ・マーチン(エストニア、フォード・フォーカスRS WRC04)でSS合計タイムは3時間40分43秒8。2位はマーカス・グロンホルム(フィンランド、プジョー307WRC)、3位はカルロス・サインツ(スペイン、シトロエン・クサラWRC)という結果になっている。なお、グループNクラスでは今年、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)チャンピオンのマティアス・エクストローム(スウェーデン、三菱ランサーエボリューション)が優勝、リカルド・トリヴィノ(メキシコ、三菱ランサーエボリューション)が2位、ジョアン・フォント(スペイン、三菱ランサーエボリューション)が3位と、ランサーエボリューションがトップ3を独占した。
ドラマは最後の最後に起こった。最終の第20SSを走り終えサービスパークへと戻ってきたソラのマシンのボンネット付近に煙が漂う。フューエルラインのトラブルだ。午前中の第17SSでコースを外れフロント部分を打った時の後遺症の可能性が高い。リスクを避けるためにエンジンをストップしセルモーターの駆動力でTC(タイムコントロール)に入ったソラは、その後メカニックたちに押されてサービスイン。許された作業時間はわずか20分。ここで遅れれば総合6位の順位を失いかねない。サービスは緊張したムードに包まれた。マシンに一斉に飛びかかった熟練メカニックたちは瞬時にトラブルを抱えた部品を取り外し、新しいパーツを装着する。作業は迅速で、なおかつ正確だ。結局ソラはほんの少しの遅れでサービスパークをアウト。10秒のペナルティこそ課せられたが順位を落とすことなく総合6位でフィニッシュをした。「トラブルが発生した時はけっこうドキドキしましたが、メカニックたちの力で無事最後まで走りきることができました。チームのスタッフには心から感謝しています。フィニッシュランプに上った時は感無量でしたね。今回のラリーは満足のいく走りができましたし、本来の参戦目的であるテストもきちんと行えたと思います」と、ソラは地元での最高の結果に全身で喜びを表現した。なお、ソラは第16SSでは同タイムでSSベストを刻んだサインツ、マーチンに次ぐSS3位の好タイムをマーク。ランサーWRC04にとっては今ラリー2度目(第1レグSS2でパニッツィが3位)となるSS3位を記録した。
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三菱ランサーWRC04
G・ガリ / G・ドゥアモーレ
(写真: '04.10.31 第3レグ) |

三菱ランサーWRC04
G・パニッツィ / H・パニッツィ
(写真: '04.10.31 第3レグ) |
6位のソラとはわずか0.2秒差。総合7位に入ったガリは痛恨のフライングスタートによって課せられた10秒のペナルティさえなければチームメイトと順位が入れかわっていたかもしれない。それほど今回のガリは安定して速かった。第17SSでは5位のタイムも記録したガリは「7位でフィニッシュすることができて心から喜んでいます。今回のラリーは自分の計画どおりに走ることができて大満足ですね。すべてのSSを走りきり多くの経験を積むことができました。ソラとはまったく競うことなく自分のペースを最後まで保ちました。チームにも完走を果たしたことでお返しができたと思います。とにかく今は最高にハッピーな気分です」と、笑顔で完走の喜びを語った。
ラリー初日のタイヤのミスチョイスおよびマシンセッティングの失敗によって順位を下げたパニッツィは、第2レグからは頭を切り替えて順位よりもテストを優先。足まわりやセンターデフのセッティングをあれこれと試し、チームに貴重なデータを提供した。今シーズン、パニッツィが行ってきた長期的なテストが今回のラリー・スペインでは結実し、ランサーWRC04は大きな進化を遂げることとなった。今回パニッツィが行った実戦テストは、必ずや来シーズンの役に立つことだろう。
就任後初めてWRCの現場で指揮をとったMMSP(三菱自動車モータースポーツ)社長の鳥居勲は、ラリー終了後次のように述べている。「今回の目標はマシンの実戦テストを行うこと、そして3台のマシンをすべて完走させることでした。可能な限り多くのデータを収集する必要があったからです。ドライバーたちはその趣旨を理解し完ぺきな仕事をしてくれたと思います。3組のクルー、そして彼らを支えたエンジニアやメカニックなどチームの全員に心から感謝しています。マシンは足まわりに改良を加え集中的にテストを行ったことで大きく進歩し、高い信頼性を得ました。今回、ランサーWRC04はそのポテンシャルを存分に発揮したと思います。ライバルマシンとの差を一気に詰めたことはSSのタイムが証明しています。しかし、依然としてトップとの差に隔たりがあることもまた事実です。今後はその差を早急に埋め、追い抜くためにさらなる努力を続けるつもりです。今回のラリー・スペインに参戦したことで何をすべきかがわかりました。すぐに2005年シーズンに向けて準備をすすめます」
WRC次戦は11月12日から14日にかけてオーストラリアのパースで開催される最終戦のラリー・オーストラリア。シリーズチャンピオンはすでにセバスチャン・ローブ(フランス、シトロエン・クサラWRC)に決まっているが、併催イベントであるプロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC)のシリーズ争いはまさに天王山。三菱ランサーエボリューションを駆るヤニ・パーソネン(フィンランド)が初タイトル獲得に向けて最後の戦いを挑む。また、このラリーにはランサーエボリューションのPWRCシリーズ7勝、つまり全勝という記録もかかっている。
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【トピックス】
■三菱自動車チームは多国籍
三菱自動車チームのチーム内公用語は英語。日本、イギリス、フランス、スペイン、イタリアなど数多くの国から集まったドライバーやスタッフの間では基本的に英語でコミュニケーションがとられる。しかし、緊急事態ともなればやはり母国語のほうが意志の疎通は確実だ。今回のラリー・スペインでもフューエルラインにトラブルが発生したソラに携帯電話で細かく指示を与えたのはラリーエンジニアのロジャー・エストラーダだった。彼らはスペイン、カタルニア地方の出身ということでカタラン語を話す間柄。カタラン語はスペイン語の公用語のひとつではあるが、フランスのプロヴァンス地方で話される言葉に近い。「チームにはそれぞれのドライバーと同じ出身地のスタッフがいるのでまったく不具合はありません」と言うのはガリと同じくイタリア出身のテクニカル・ディレクター、マリオ・フォルナリス。イタリア語以外にも英語、フランス語、スペイン語に通じている。しかし、最近チーム内では日本語がちょっとしたブーム。とくにガリやエストラーダは日本人を見かけると「オハヨゴザイマス」や「ゲンキデスカ」と声をかけてくる。来年のラリー・ジャパンではきっとサービスパーク内に日本語が飛び交うことになるだろう。
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