見上げるプロジェクト とても静かな場所

様々なジャンルのゲストを迎え,星空への「想い」にフォーカスを当てるインタビュー。

「星のおかげで心穏やかになれるんです」 星の伝道師・宙ガールの原点は故郷青ヶ島の星空にあった!

PROFILEしのはら・ともえ

1995年歌手デビュー。歌手/女優/アーティストとして、幅広い活動を展開中。2012年に完全プロデュースアルバム「-:*Better*:-」「 -:*Oh Yes Say LaLa*:-」二作を発表。また、2011年には天文宇宙検定3級に合格。自身を表現作品とし“作る” ことにこだわりを持ち、枠にとらわれない幅広い活動を展開している。

篠原ともえ タレント、アーティスト
宇宙をモチーフにした生地から、ご自身で作られたワンピースとバッグ。

宇宙をモチーフにした生地から、ご自身で作られたワンピースとバッグ。

お手製の“天文ワンピース”を身にまとってスタジオに現れた。“シノラー”と呼ばれた時代よりもぐっと大人っぽくなった篠原さんは、でもあの頃と同じように瞳をきらきらと輝かせて、本当に楽しそうに星空のことを話す。

「冬のオリオン座は、リゲル、ベテルギウスを含む四角の星の、真ん中に星が3つ、オリオンのベルトがあります。実は横に3つ並んでいる星の下に、小3つ星っていうんですけど、縦に3つ星が並んでいるんですね。それは肉眼ではなかなか見えなくて。はじめて双眼鏡で見つけたとき、世紀の大発見というか、みんなの知らない秘密を知ったような気がして、ドキドキしました」。

7歳の頃、母方の祖母が住む伊豆諸島の青ヶ島で、夏の花火とともに見た星空に大きな衝撃を受ける。星が鮮やかな色を放ち、花火に負けないくらいに煌めいていた。
娘が星に心をときめかせる姿を見た両親は、すぐに双眼鏡を買い与えた。そして、彼女はこれまで見えなかった新しい星たちに出会い、それについて調べようと学校の図書室へと足を運ぶようになる。そこで今も愛読するイラストレーターであり、天体写真家の藤井旭氏の本に巡り会う。

藤井旭氏の著書をはじめ、篠原さんお気に入りの書籍。

藤井旭氏の著書をはじめ、篠原さんお気に入りの書籍。

「本当に星をわかりやすく、初心者にも手をさしのべてくれるような表現で、例えばオリオン大星雲を、新しい星が生まれる場所で、いまも星の赤ちゃんがここにいるんだよって書いてある。あっという間にM42っていう星雲の名前まで覚えられました」。

そうして、星にも色の違いがあることに気づいた。それまでは単なる点に見えていたものが、まるで人間のように個性があり、生きていると感じられるようになる。ますます星が好きになった。

高校時代も今も、星の“伝道師”

高校生になって、歌手デビューする。仕事はどんどん忙しくなった。あるとき星好きの理科の先生に「普段はウトウトしていることが多いけど、星の話になると目を輝かせてちゃんと聞くんだね」と言われたことをきっかけに天文部に入ることを決断する。

「天文部というと、理系の人ばかりで、地味でオタクっぽいイメージがあるかもしれないですけど、まわりにいる明るい友達も誘って、みんなで千葉に観測に出かけたり、修学旅行の沖縄では、天文部だけが夜遅くまで観測することが許されて、まわりのみんなからうらやましがられるような存在になって、どんどん部が活気づきました」。

この頃からすでにまわりを巻き込む力を発揮していた。

「公言してないけど実は星が好きな人、一歩踏み出せないでいるけど興味がある人、好きだけどちょっと疎遠になっていた人、そんなみなさんと一緒に手をつないで星を見上げる楽しさをわかちあいたいなって」。

そしていま彼女は宙ガールと呼ばれるようになった。高校時代もいまも、星の魅力の布教活動に勤しむ伝道師だ。

青ヶ島の星空とともに。

篠原さんがご自身で撮影された、青ヶ島の星空とのツーショット写真。

2011年にデビュー15周年を迎えたことを機に、青ヶ島で凱旋ライブを行った。前日に島で撮った星の画像を投影しながら、星の歌を歌った。その星空の映像がスクリーンに映し出された瞬間、観客席からはまるで島の星を初めて見たかのような歓声があがった。

「みんなが毎日見ているはずのもの。これは青ヶ島にある宝物。そばにはいつもこんなに美しいものが輝いている。そんな話をしたら、子どもたちからおばあちゃんまで、あらためて青ヶ島の星ってこんなきれいだったんだねって、すごく喜んでくれたんです」。

ほどなくして、青ヶ島を“星の島”として紹介するための公式サイトができた。そこでは彼女がおすすめする、星の見所スポットや青ヶ島の星の魅力について語られている。いまそのサイトを見て、星を見に島を訪れる人が増えているという。星を通じて島に恩返しができたことが、とてもうれしいと話す。

願えば星はどこででも見られる

ときに深呼吸をするように、いつも空を見上げているという。

「青山で大きな流れ星を見たことがあるし、東京だって星は見えます。ぱっと見るだけではだめで、じっとしていると目が慣れて、星があらわれてくれる。それを待つ心の余裕も必要なんです。季節によっては火星や木星も見える、惑星って大気のゆらぎの影響を受けにくいので、ぴかーんってこっちを見ているみたいに光ってる」。

好きなのは夜空に限った話ではない。雲に虹の色が現れる彩雲の美しさに心を奪われる。

「見られたことはラッキーじゃなく、チャンスはみんなに平等にあるもの。ちょっとしたご褒美をもらえたようで、その日はご機嫌でいられるから」。

天文宇宙検定3級を取得されている篠原さん。その合格証書と、星空観察で愛用されている双眼鏡。双眼鏡のデコレーションはもちろんご自身の手による。

天文宇宙検定3級を取得されている篠原さん。その合格証書と、星空観察で愛用されている双眼鏡。双眼鏡のデコレーションはもちろんご自身の手による。

スマートフォンの画面をのぞき込み、下ばかり見ているとそんな体験できませんよね、なんて話をふると、

「でもわたし、スマートフォンも大好き!」

と返された。
そういえば彼女のツイッターのフォロワーは約17万人もいる。

「きれいな空を見るとみんなにいいたくなって、つぶやくとみんな喜んでくれる。同じ空の下で、同じ景色を共有できる喜びがある。自分の目で見ること、体験すること、それをみんなにも、自分自身にもたくさん経験させてあげたい」。

フィンランドやアイスランドでのオーロラ観測などの経験なども経て、あらためてどうしてこんなに星が好きなんだろうと自問自答したとき、やっぱり自然が好きなんだと気づいたという。外に出て、空を眺めて、音を聞いて、においや温度を感じて、そういう時間や空間が与えてくれるものがどんどん自分にインプットされ蓄積されていく。

自然の色が創作意欲を掻き立てる

板垣氏

「フィンランドでは極夜(日中でも太陽が沈んだ状態が続く現象)があるので、キャンバスは白じゃなく、夜を模した黒いキャンバスにさまざまな色のオーロラを書いたりするんです。子どもたちはいろんな色を見ていて、その色使いがとてもきれいで。自分も色の勉強をしているんですけど、本当の色、自然の色を知っていたい」。

篠原さんは自分で撮影した皆既月食の写真を、昨年リリースしたアルバムのジャケットに使用している。1曲目に収録された「Better」は、星を眺めているときに浮かんだ詞とメロディを紡いだものだ。

「10代の頃、誰にも言っていない夢を星に語りかけていた自分がいて、過去の自分に星を通して、夢は叶うよって伝えたいなって」。

今年から来年にかけては、デザイナーとしてユーミンのステージ衣装を手がける。あのときた見た星の色、自然の色を再現したい、いろんなものを見ているとどんどん創作意欲がわいてくるという。

「自然や星が嫌いな人なんていないじゃないですか。星のおかげで心穏やかになる自分を見つけ出せたんです。そういう気持ちにさせてくれるものが近くにある、みんなのそばにあることを知ってほしい、伝えたい」

と優しく微笑む。

「夜空。真上に夏の大三角キラキラ〜☆*:.。. 。°」
今日もどこかで星空を見上げて、篠原さんはつぶやいているかもしれない。

見上げた星空に想うこと

雨に降られ、雲に覆われ、例えその時は星が見えなくても構わない。のちに見る事ができたとき、この感動のためにその場面があったのだと、それも星空が私たちにプレゼントしてくれるストーリーのひとつなのだと、夢中になって星の話をする篠原さんの話がとても印象的でした。星空は常にそこにあって、向き合えばいつでも素敵なインスピレーションを与えてくれる。

この星空が、百年後の未来も今と変わらず輝いていてほしい。

※「宙ガール」は株式会社ビクセンの登録商標です。

オススメの記事

      とても静かな場所 Archive

        見上げるプロジェクトとは

        ふと星空を見上げれば、誰かのことを思ったり、
        地球の大きさに思いを馳せたり、これからの未来のことを考えたり...。
        太古の昔から瞬き続ける星空は、とても多くの想いを私たちに届けてくれます。

        そんな星空が、百年後の未来も今と変わらず輝いていてほしい。
        今よりもきれいな星空であってほしい。
        そんな願いをこめて、「見上げるプロジェクト」を始めます。

        このプロジェクトでは、Drive@earthの約束のもと、
        これからのクルマ・人・地球の百年に挑戦し続ける三菱自動車が、
        星空を見上げる人々の想い・体験をとおし、
        あなたと地球が対話するきっかけを作っていきます。

        今晩ちょっとだけ星空を見上げてみませんか?