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トップメッセージ

豊かなモビリティの未来に向け、社会に貢献する企業として挑戦を続けます。

社会課題の解決に寄与することが三菱自動車の使命

今日、私たちを取り巻く社会環境は複雑化し、激しく変化しています。エネルギー・資源・食料・水などの問題、グローバル化の進展を背景にした格差の拡大といった社会課題は、私たちが避けて通れるものではありません。

また、地球を大きな生命体と考えたとき、資源の採掘などを通し、人類が与えてきたダメージは計り知れません。事実として地球環境問題は深刻化しており、この生命体がどこかで限界を迎えることも考えられます。それが何十年後、何百年後先であったとしても、その時代を生きる人にとっては大変な悲劇であり、未来の世代のために地球環境を守るのは今を生きる私たちの責任です。

最近では、国連サミットにおける「持続可能な開発目標(SDGs)」の採択や、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の合意など、エポックメイキングな動きもありました。企業の社会・環境課題への取り組みへの世界的な関心が高まる中、当社もまたこうしたグローバルな潮流を注視しながら責任を果たしていくことが不可欠です。

企業とは、本質的に社会に貢献できる存在でなければならないと私は考えます。変化し続ける社会環境の中、その時代ごとの課題を的確に捉え、解決に寄与する企業こそ、三菱自動車が目指していくべき姿です。

新たなモビリティのニーズを読み解き変革を遂げる

クルマづくりを業としている私たちは、その本業を通じて社会のニーズ・期待に応えることが最も重要です。社会全体でモビリティのあり方が大きく変わりつつある今、変化を先読みして新たな挑戦を続けていかなければなりません。

近年、当社は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などの電動車に注力してきました。環境への影響を考えたとき、未来のクルマ社会においてこれらの電動車が大きな役割を果たすことは、もはや多くの人が疑わないところです。自動車が多くの人々に移動の利便性をもたらした反面、地球温暖化の一因となっていることを思えば、化石燃料に頼り続けることはできません。この点で、太陽光や地熱、水力、風力など様々な再生可能エネルギーから作り出せる電気は、エネルギー源として高い優位性を持ちます。送電網さえ整備されていれば、化石燃料のように燃料の輸送の必要がないのもメリットです。

さらに、大容量バッテリーを搭載した電動車は、災害時には電力供給を可能にするなど、社会インフラとしての側面も持ちます。今後の自動車は、移動手段に過ぎなかった従来の姿を超えて、多様な可能性を広げていくものと考えます。

より安全で快適なモビリティに向けて、自動運転技術の進展にも目覚しいものがあります。自動運転車が実用化された未来では、「クルマで外出する」概念が今とはまったく異なるものになるでしょう。人的要因による事故やトラブルは発生し得なくなり、移動時間をいかに豊かに過ごすかという、従来とは違った着眼点が生まれてきます。
また、クルマは所有するものではなく、必要なときに必要なだけシェアすればよいという発想にもとづく「カーシェアリング」なども、今後ますます一般的になっていくものと考えます。

こうした新しい領域、新しい価値観に対して私たちがどのように対応し、役立っていけるかが問われています。これからは自動車という工業製品を製造・販売することだけにこだわらず、長期的視野からモビリティに関するあらゆるサービスの提供を目指していくことが欠かせません。

新体制のもと改革を進め、信頼回復へ

自動車産業が大きな転換期を迎える今、何より重要なのは「変化を恐れず、挑戦し続けること」だと考えます。「変化する」とは、時にはこれまでの歴史や成功体験を否定することでしか実現できない場合もあるでしょう。しかし、市場環境に合わせて変化できる企業しか生き残れないのだとすれば、私たちは従来のやり方にとらわれない柔軟な発想をもって社会のニーズを読み解き、新たなビジネスモデルへの変革に挑み続けなければなりません。

現在、EVの将来像についてCEO直轄の若手社員のチームで検討させています。先日開催した発表会では、若者ならではの従来の常識にとらわれない新鮮な提案がありました。このような変革の息吹に触れて、EVの将来性を改めて確信するとともに、若者たちと当社の未来に向けた可能性を感じました。提案の一部については、具体的に事業計画を策定して、実際にトライしてみるように指示しています。許容できるリスクを適切に管理する限り、失敗は恐れるものではありません。仮に失敗してもその代わりにノウハウは必ず得られるものであり、チャレンジする風土の醸成を重視します。

2016年度には燃費不正問題により、お客様や株主の皆様をはじめ、多くのステークホルダーに多大なご迷惑とご心配をおかけすることとなりました。社内調査および社外有識者からなる特別調査委員会の調査結果から、現場が率直にものを言えない文化や、経営側との不十分な情報共有などがその背景にあったと認識しています。この猛省のもと、透明性ある事業運営に向けて全社で徹底した改革を進めていきます。

また当社は、2016年10月に日産自動車から出資を受け、ルノー・日産アライアンスの一員となりました。この新体制のもとで信頼回復に全力を尽くすとともに、アライアンスによるシナジーを最大限に追求しながら、当社単独では難しかった新技術の開発・量産化にも果敢に取り組んでいきます。スケールという観点で発展に向けた環境が整った今、より高い次元でグローバルなものづくり企業として進化を遂げていきます。

多様な人材を活かし、持続的な成長の原動力に

会社は社員一人ひとりの力に支えられています。経営者は、社員が持てる能力を最大限に発揮できる環境を整えること、そして能力に一層の磨きをかける機会を提供し続けることを怠ってはいけないと考えています。ダイバーシティの推進はその一環です。女性の活躍推進や若手社員の登用をはじめ、年齢や性別、国籍、人種などを問わない多様な人材を活かすことこそが、事業の大きな原動力となり、イノベーションを起こす力になると信じます。

さらに、新時代のクルマづくりを推し進めるためには、従来とは異なる技術や発想の持ち主も求められます。例えば電動車には不可欠な電池開発には化学の知識、ビッグデータを有効活用するにはICT分野の知識など、従来の自動車業界に求められていたものとは異なる技術領域に強みを持つ人材の確保が不可欠です。その実現のためには、当社自身がそれらの優秀な人材にとって魅力的な会社であらねばなりません。外部から採用する人材も、何らの制限もなく活躍ができて適切に実力を評価されるように、さらなる環境整備も欠かせません。

またすべての社員がいきいきと働けるよう、当社は引き続き働き方改革にも注力しています。特に総労働時間の短縮は最重要テーマです。すべての社員に最短の時間で最大の成果を生み出すことにこそ価値があるという共通認識を醸成していきたいと考えています。そのために、これまでの仕事のやり方に固執せず、無駄を排除して効率を追求することを社員に呼びかけています。そして、それによって生まれた自由な時間は、ぜひ家族とともに楽しく過ごしたり、あるいは社会に出て見聞を広めたりすることに活用してほしいと願います。

そのような仕事と暮らしの両立を通じて幅広く社会に目を向け、「自分の日々の仕事を通して社会に貢献していく」実感を、社員一人ひとりに根付かせていくこと、そのために挑戦を促す環境を作ることこそが経営者の役目と考えています。すべての社員の成長を、三菱自動車の持続的発展の原動力に変えていきます。

三菱自動車工業株式会社
取締役
CEO

益子 修

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