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社会・環境への取り組み

トップメッセージ

取締役社長 益子 修

2010年度は、「成長への基盤づくり」を掲げた三菱自動車の中期経営計画「ステップアップ2010」別ウィンドウ表示の最終年度です。この計画は、米国発の金融危機に端を発した世界的な経済混乱により経営環境が大きく変化したため、見直さざるを得ない部分もありましたが、「成長への基盤づくり」という位置付けはより重要なものとなりました。2010年に入り世界的な経済混乱もようやく最悪期を脱し、大きな打撃を受けた自動車市場も緩やかな回復に向かっています。しかし、この経済危機を契機に自動車の需要構造は大きく変化しました。その一つが、世界的な環境意識の高まりによる、環境対応車への強い関心です。

当社は『環境対応』を「成長への基盤づくり」の一つと捉え、中長期的な施策として取り組んでいます。2009年7月、新世代電気自動車『i-MiEV』を「次の100年の扉を開くパイオニア」として市場投入しました。『i-MiEV』は、「大気汚染」「地球温暖化」「脱石油」のすべての課題解決に資する究極のエコカーと言える自動車です。今後さらにお客様にとって使いやすく魅力的で、かつお求めやすい自動車にしていきたいと考えておりますし、電池の性能のさらなる向上といった技術的課題も確実に克服できるものと考えています。電池以外の分野では、例えば非接触充電技術も実用化に向けた開発が進んでいます。走行中も充電し、どこまでも走り続けることが、夢ではなくなるかもしれません。

当社は、2009年6月に発表した「三菱自動車グループ 環境ビジョン2020別ウィンドウ表示」において、2020年の電動自動車生産比率を20%まで引き上げるという具体的目標を設定しました。電気自動車の課題を一つひとつ克服しながら当社の基幹事業の一つに育て、低炭素社会の早期実現に貢献したいと考えています。

電気自動車の普及は、CO2排出量の削減をはじめとする環境問題への対応に資するのみならず、人々の生活や社会にもさまざまなプラス効果をもたらす可能性があります。電気自動車の動力源である電気は、基本的に家庭で供給(充電)することになります。その家庭の電気を太陽光や風力などの自然エネルギーにより発電すると、CO2排出量ゼロの自己完結型エコ住宅・エコカーライフも可能になります。電気自動車のバッテリー蓄電機能は、今注目されているスマートグリッド構想にも欠かせないもので、エネルギー需給システムの革新で大きな役割を担うことが期待されています。

電気自動車自体もさらに進化していくと思います。例えば、モーターを各ホイールに組み込む「インホイールモーター」システムを採用した電気自動車は、クルマの設計上の制約が大幅に軽減され、自由なデザインが可能になります。さらに、横に動いたりその場で回転したりと、従来のクルマでは考えられない動きが可能になるなど、自動車の常識を大きく変える可能性があります。また、電気自動車は静かで排出ガスがなく屋内での走行も可能なため、将来は移動手段だけでなく、生活空間や家の一部としても活用範囲が拡大されることでしょう。

さらに、いくつかの国で、効率的で環境にやさしい新交通システムに移行させる計画が公表されました。これは、長距離移動は飛行機や高速鉄道を利用し、自動車は短距離移動主体に使うというものです。世界各地で計画されている新幹線などの高速鉄道と、短距離走行に適した電気自動車のレンタカーやカーシェアリングを組み合わせると、CO2削減の効果を一層高めることができるかもしれません。

電気自動車は人々の生活に、そして社会に大きく寄与できるものですが、一方でその普及には多くの皆様のご理解とご協力が不可欠です。急速充電器の開発と設置などの社会的インフラの整備や、色々な分野における電気自動車の活用のあり方に関するご提案など、電気自動車の利点を最大限に活かすような普及促進活動について、皆様の一層のご理解とご支援を賜れば幸いです。またその過程において、電気自動車を活用する新しいアイディアと工夫が多くのビジネスチャンスを創出し、経済の活性化とさらなる電気自動車の普及促進に繋がるものと考えます。

より良い地球環境、より便利な社会生活、そして豊かな経済活動に、当社が市場投入した電気自動車が大きく貢献することを期待しています。

今後とも、電気自動車の普及や当社の取り組みに関して忌憚のないご意見をお願いするとともに、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

2010年8月

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